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戦略構築基礎知識


 ここでは戦略を独自に構築する上で、知っておきたい事柄を紹介しています。

 ・即高次進化戦略においては経験値稼ぎが重要

 即V即Wといった進化を急ぐ戦略が採用される理由は色々とあるが、その中でカードの価値が上がる点が注目されるべきで、序盤はカードがたまりやすいので高次進化を急いで、そのカードを多く使えるようになると効率に優れ、その性能をより高めたければTPなどで経験値を稼ぐと満足いくものとなる。


 ・開幕は伐採をなるべく避けるようにすること

 伐採の収集速度は特に遅い。開幕はまだ本陣周辺資源が枯れてないのだから、収集効率の良い狩りを優先したい。経済効率(色々な意味も含めて)は、元の資源量が倍率されていくように拡大していくのだから。しかし、内政を拡大するための伐採即TPや市場建設などの手段では、むしろ伐採した方が内政拡大に役立つ。


 ・持久戦狙いの戦略について

 試合が遅延すればするほど、力をつけていくことができる手段が、このゲームには存在し、その利益を継続して取得していくために、会戦を拒否し続けることで、優位性を確保しようとする戦略が存在する。しかし、攻城攻撃などによって、戦争を強要する手段が存在するから、簡単なことではないが、そのような、持久戦狙いの戦略の手段の概要を、以下に述べていくことにしよう。

 1.ブーム
 戦争を避けて内政拡大を狙い続けるという持久戦戦略だが、これを狙うには、そうするのに都合の良い文明を選ぶべきで、該当するのは、イギリス、ポルトガル、日本、オランダなど。やりやすさで言えばイギリス、ポルトガルはやりやすい。というのは、試合が遅延するだけで、文明特徴的に、自然と、内政拡大がされていくからである。イギリスならば、軍備の必要性から建てることになる家ブーム。ポルトガルならば、与えられた複数TCからのSettler生産まわしによって。オランダだと、戦況に合わせて銀行を建てるべきか、軍備に力を入れるべきか悩まなくてはならず、それを実行するには戦況を読む能力が必要とされる。

 2.強力なユニットのため込み
 条件的に、量産が不向きの、傭兵をため込み続けることにより、強力な軍事力を確保しようというもの。そうするには、試合の遅延が必要となる。また、フランスのキュイラシェため込みも、これに該当するだろう。中国の槍弓をため込んで、W入りして、槍弓強化カード狙いもそうだろう。

 3.スーの家不要ボーナス
 この文明特徴的メリットを最大限活かすために、人口上限まで、軍備などで埋めるには、試合の遅延を必要とする。

 4.軍隊生産コスト減のテクノロジー
 軍隊生産代金の割引効果を、積み重ね続けることによる、特殊ブーム。軍隊を量産すればするほどの、その割引恩恵によって、太い力をつけていこうとするのが狙い。具体的なその手段は、中国のドイツ領事館テクや、日本のShogunateテク。これは、軍備がブームとなる訳だから、通常のブームより、安定度が高い。


 ・基本戦型の概念について (FP1.0)

 戦略の属性となるものを取扱うことで、無数に存在する戦略の分類を可能とさせ、個別的なものを取扱うよりもはるかに少ない労力で多くの知識の源となるものを手に入れることができる。
 戦略間の相性攻略をする上で、その攻略の基礎となるものをここで身に付けることができるようにしていきたい。

 1.ラッシュとカウンターについて
 このゲームでは戦争に打ち勝って制覇勝利とすることで勝利となる訳だから、その手段が戦略の基礎となる。それは、攻め込んでいくラッシュか、迎え撃つカウンターの二種類しか存在しない。
 ブームとタートルは以上の付加的手段と考えねばならず、そうして戦略の分類に失敗しないようにしたい。
 尚、モノポリー勝利条件は未知であるため、今は忘れられたものとして取扱っている。

 2.急戦型と持久戦型について
 早期決戦を目指していく急戦型と、力を蓄え国力充分としてから勝負に臨む持久戦型と存在する。尚、AoEプレイヤーの間では速攻型や内政型と呼ばれることが多いが、ここでは将棋で使われている用語を流用している。
 普通にはスタートから持久戦型に組むようなことはあまりせず、相手の出方を窺いながら持久戦型を目指していくことになる。何故なら、その初動は防衛軍備不充分の隙となってしまうからである。つまりは読み合い勝負となり、速攻がないことを読み取ったらいち早く持久戦型に移行して、先に国力充分とすることで優位に立てる。

 3.基本戦型について
 2Rや即Vと呼ばれているものがここで取扱われるものである。その構成要素として上のものも含んでいる。

 <2R>
 ここでは即詰み狙いや主導権確保を目指しており、つまり初弾速攻の型。
 スタートから進軍を急いで、即攻城で一気に試合を決めてしまおうとする前者と、スタートから軍備充分とすることでマップを支配するための手段とし、そうして前を取ることで内政や施設建設を妨害する嫌がらせ(ハラスメント)、通称ハラス進軍でカウンターを封じ込め、自身は無量の天然資源の確保と内政拡大手段を用いて国力拡大をも可能とさせる後者の形と二種類存在する。
 内政を妨害してやりたいような相手や、資源封鎖が有効なマップでは特に重宝される戦型である。
 名前の由来は、普通にはUの時代に進化しないと軍隊生産できないので、そこからラッシュを目指すということなのだろう。

 <遅らせの2R>
 カウンターラッシュとほぼ同義。スタートに堅さを保てる程度に力を蓄えてから、本陣受けカウンターや軍隊量産体制からのラッシュで勝負を目指す型。
 開幕に前で争うには不利なことが予想される相手には、本陣スタートで後手を踏む形にならざるを得ない。そのように主導権を奪われてアドバンテージを確保されてしまう代わりに、TC施設を利用した防衛性能の高い本陣受けカウンターの迎撃効率で差を付けられないものとする訳である。
 その防衛手段の堅さが有効である間に内政を稼いでおくことできる。そしてそこからの軍隊量産体制のカウンター進軍で主導権を奪い返す手段とする。
 初弾速攻がなかった場合には、そのまま本陣スタートの遅らせの2Rとなり、ブームや即Vを妨害する手段としていく。
 具体的にはフランスの2小屋まわしが代表的で、初弾700木カードで体制を作った後にそうした量産軍進軍を目指す訳である。この形で開幕に前を取るには堅さに難があるから、普通には本陣スタートを目指すことになる。

 <即V>
 結果として早期決戦型のカウンターラッシュの形となる。基本的に道中に内政を稼がず軍隊生産も一切せずの直行の即Vを目指すことで即Vからのカウンタータイミングを早め、即高次進化による価値の上がったカード連打の効率と、ベテラン兵やFalconetや傭兵などの時代進化によって使えるようになる強力な軍ユニットで軍事力を向上させ、その性能はほぼ確実に2Rに対してカウンターラッシュを成立させることができるほどである。
 具体的には、進化ボタンを成立させてから、V進化中に切っておくカード軍と、V進化軍と、TC防衛手段で即Vカウンター迎撃してやり、そこから以上の軍事力ブーストさせたカウンター進軍によって即詰み速攻を目指すことになる。
 内政を稼がずの直行の即Vだからそのようにせねばならず、後を続けるには不満の型となっている。Vのカード連打の効率で勝負する型なので、道中の経験値稼ぎ、つまり即TPブームがほぼ欠かせない戦型である。

 <SemiFF>
 初弾のハラス進軍で2R偽装を試み、その間に内政を稼いでしまう。そしてそこからV入りを目指すという、道中にハラスと内政アドバンテージをも狙った、やや遅めの即Vの型。
 この場合、道中に内政を稼いでおいているから、持久戦型に移行することに無理がなく、後を続けていくのにも不満がない。


 ここで2ブームを取扱わなかったのは、上で言われているようにラッシュとカウンターしか戦略として認められないからである。2ブームは言い換えて、内政重視のカウンター型ということになる。
 即Wについては割愛した。これは即Vの大掛かりなものとして考えておけばよいだろう。

 以上の基本戦型間には相性というものがある。それは別の場所で詳しく述べているが、これを覚えておけば個別な相性攻略の労から逃れることができ、リアルタイムな読み合い勝負では煩瑣な事柄には関わっていられないから、基本の考えとなるものだけをそこでは取扱って物事を単純化させ、そうして判断の遅延を防ぐことができると、試合運営を容易にできるはず。


 ・基本戦型間の相性関係について (FP1.0)

 2R、即Vなどの基本戦型間には相性が存在し、少なからず例外はあるのだが、一般には以下のような力関係を現している。

 1.2R>2ブーム
 言わずと知られている。

 2.2R>=遅らせの2R(カウンターラッシュ型)
 2R側は前を取りマップを支配することで、ハラスアドバンテージと無量の天然資源確保ができるようになる。後手を踏むカウンター側はTC施設を利用した防衛手段で防衛能力を稼ぐことができ、その堅さを保てる間に内政を稼いでおいて、そこからの軍隊量産体制でカウンター進軍を目指し主導権奪回を図る。
 そう述べていけば、双方に相応のメリットがあり、形勢は互角であると判断したくなるかもしれないが、私は2R側がやや有利であると判断している。
 というのは、Uの時代に留まったカウンターラッシュでは、即Vとちがって軍事力ブーストにやや決め手を欠いてしまうので、普通にはそのまま戦線が膠着することになり、そうなってしまうと天然資源保有量の差でもって2R側に分が傾く。
 ユニット間の相性や本陣篭りの内政ができるといった個別的な条件が介入する場合にはそのようではなくなるとしても、一般的な考えとしては上のように判断しておくべきように思う。

 3.2R<即V
 即V側は、陣地戦によるメリット(TC駐留攻撃やその視界、民兵など)に加え、即時的にベテラン兵やVのカードを使えるようになり、結果として即V側が形勢を上回り、カウンターとして成立しやすい。

 4.2R>SemiFF
 SemiFFの場合だとV進化ボタンを押すまでに時間が掛かってしまうことになるが、その間に2R側は軍備充分とさせることができるので、V進化成立前に攻めきることを狙いやすい。しかし、SemiFF側の工夫の余地は多く、有利にさえできてしまう戦略も存在する。

 5.2ブーム<即V
 正確には即V急戦ラッシュに限る。つまり、ここでもブーム<ラッシュの基本相性関係となる。

 6.2ブーム>=SemiFF
 SemiFFだと、本格的な進軍がやや遅れるので、その間に2ブーム側は内政狙いの駒組みを成立させておくことができるため、結果として2ブーム側の有利となりやすい。
 SemiFF側も多少は内政稼いでいるし、そして即Vして軍事力強化を果たしているから、それほど見劣りしない。

 7.即V<SemiFF
 SemiFF側は即V側に対して、ハラス軍で内政妨害をすることができ、且つその間に内政を稼ぐこともできる。そして、そのハラス軍で戦線を圧迫させておけるから、即V側は前線スタートができず、その分、進軍が遅れることになる。その間にSemiFF側はV入りを成立させておくことが難しくなく、2Rに対して即V側はカウンターを得意としているが、ここではSemiFF側が即Vに対してカウンターを狙いやすいという形勢となっている。

 8.即V>=遅らせの2R
 直行の即Vは2Rに相性勝ちできる戦略だが、力を蓄えてからの遅らせの2Rに対しては微有利〜五分ぐらいであると判断している。直行の即Vは道中に内政を稼ぎづらいから、内政を稼いでからの軍隊量産ラッシュに対しては内政的に不利となるし、その豊富な軍量に対してカウンターを成立させることも楽なことではない。

=== 2010/02/07追記 ===
 現在主流戦略となっているSemiFF対策は進んでいる。その手段ともなっている相性有利にできる関係のものを記しておく。
 当時はスピードと破壊力を誇る直行の即Vラッシュが流行したが、それに対して有利に働くSemiFF戦略が発見されたことにより、今それを見ることが少なくなってしまった。
 当時のように、またここで流行の移り変わりを見ることになるかもしれない。さて、そうなる前にその利益を摘み取っておくことにしよう。

=== 大ブーム>SemiFF
 SemiFFは本格的な仕掛けが遅れるので、その間に大ブーム手順に組むことが許される。その内政アドバンテージだけでも戦える形勢を得られると思うけど、SemiFF読んだら仕掛け遅れるその間に追ってV入りして軍事強化できれば、その内政アドバンテージの差でもって有利となる。SemiSemiFFでさらに上をいくような形に。

=== SemiFF<即W
 SemiFFの仕掛け遅れる脆弱性を狙った、その間に即Wに組むことが許される条件を利用している。その進化アドバンテージで優位に立てる訳だが、理想は直行の即Wよりも相SemiFFとして内政劣らず、そこからW入り許されればその進化アドバンテージの差だけの優位性を手に入れることができる。

=== 2R>SemiFF
 SemiFFは進化遅めとなるので、2Rに対してカウンターが間に合いづらい。そのため、SemiFF側は2R読んだらカウンターラッシュの形に戦略シフトするのが普通の振る舞い方となる。


=== 内政型戦略への対応戦略となる2Rスタートから内政シフトの戦型について (2011/08/30)
 AoE3界では内政屋気質の人が多そうな日本国内プレイヤーが席巻する事情となった。それと流行の移り変りも手伝ってか、当時より内政作る対戦事情になったように思える。昔は2Rや即Vで早期決戦の戦いをよく見たのに、今ではなかなか勝負しようとしない私のような優柔不断でいやらしいプレイヤーが増えてきて、逆に私は苛立ってこちらから勝負するようになることが増えた。
 フランス即狩猟テク14人進化や日本ポルトガル領事館内政型、トルコ進化400木即V、イギリスヴァージニア家内政、スー内政型からのBowRider量産などなど。
 それ自体が有力なオーダーであるという思い込みと、内政型戦略に対して有効な2Rで早期仕掛けしようとするプレイヤーが減ってしまった対戦事情から、内政型戦略の勢力は衰えることを知らなかった。

 内政効率を求めることに先行して、その内政を作ることが許されるのかを考えなくてはならないのに、その仕事が疎かになっていることを咎める。内政はアドバンテージを得るための一要素でしかなく、戦略の目的や作戦、戦略シフトや発展形への移行のしやすさ、ディフェンス、主導権および天然資源保有量、勝負のタイミングを見極める、他にはプレイヤータイプの合致、心理戦読み合い勝負など、それら総合して判断せねばならない。ディフェンスについて一般にあまり語られないのは、その要素が地味な立場にあるという理由だけでなくて、総合判断できていないのではと疑う。
 それら要素の中でどれか優遇された条件があるという判断は一般に為されていない(部分的なOP要素を除いて)。大体においてバランスが取れているものとして考えられている。馬強いと言われても、得意の歩兵使うなら勝負になる。それを活かすための戦術もある。後は自分にとっての得意技を極めるために偏った研究というものも有意義だと思う。

 内政の作り方は、その内政を作ることが許される範囲を調べれば限定でき、その仕事量を軽減できる。そしてその文明に適した内政手段を用いるということ(これは重要)や狩猟に関してなどの一般的な内政効率についての知識以上に技術性を見出しづらく、今では多くのプレイヤーがそれを習得していると思われ(知識なくてオーダー真似しているだけの人も含めて)、後はもうそこに大きな差があるとは思えなかった。ここに技術上限の高さを認める人はディフェンスや内政バランスについて考えたことがあるのだろうか。その許される範囲を踏み越えているようにしか思えない。元々が戦略の目的に基づけて内政配分を調節するということが内政の在り方のはずなのに、得意技を極めること以上に内政を優先することで全体の秩序崩壊をきたしている。
 その咎めを充分に受けてもらう。今、内政型戦略に対する対応戦略の研究に力を入れることはメタ戦略となり有効な事情なのだ。その最もな手段とは2R戦法だった。そしていつか彼らが内政欲張りすぎたことの非を認め、今の対戦事情では適用させづらかった私の得意のカウンタータートル戦術をさせてほしい。今は早期仕掛けでそれを誘導する作業に務めなくてはならない。

 しかし普通に2Rしたのでは内政型戦略に勝ちづらい。その内政型戦略が極まっている対戦事情にあることと、TC防衛施設が優秀だったために。
 最も早期仕掛けが可能な2Rによって相手のその内政手段を奪うことが最初の狙い。そしてそこから内政シフトして相手と同じ手段をとれば負けることはない。後は主導権のアドバンテージ、具体的には、ハラス差し込ませたり資源封鎖、そして天然資源保有量で差を付けることで形勢を見込める。

 なるほど、でもつまりは内政が重要ってことですよね。その対応策が同じく内政によるものでした。だったらその内政を極めるしかない。たとえその技術上限に乏しくても!
 先のプランニングにまで気づいてほしい。条件のちがい、つまり先手取りつつ内政作ることが許されるのは特に限られるということ。それに対しては速攻戦略が打開策となる。TC防衛施設に頼らずに内政なんて作れるものか!速攻でそれを咎めてやると。そうして各種戦型の有用条件を確保し、諸葛亮孔明は三国構想によってその勢力の均衡をまず保たせることを誘導して策を講じやすくするように務めた。
 後手スタート内政型戦略<2Rスタートからの内政シフト<速攻戦略<後手スタート内政型戦略というアンチ関係のサイクルを作り上げ、対策されたら速攻戦略というものは沈黙せねばならないと思われたそれに活躍場所を与える。基本は速攻型の2Rや即Vに内政的配慮も施したりと、後の展開で不利になるようにもしない。
 そしてこの世界においては三国統一が為されなかった。それはバランスを司るゲーム開発者とクリエイター的なプレイヤーが存在したからで、強要素押し付けワンパターンを通用させず考えさせることを強要し、覇権争いという祭り事で遊ばせておいて、人間を開発することが真の目的であったこと、まだ自覚の足りない理性概念に基づくのではなく、その成長のために活動の媒体を与えておく、人間が自由になるための道筋を見据えて環境を整備しようとしていたこと、そこに世界統一の真の姿が存在する。


=== 2Rスタートからの内政シフト戦術の実践上のスキルアップを求めて (2011/12/13)
 それは後手内政型に対して有利取るための手段であるが、この戦い方は私が一番苦手としているもので、だから現在の後手内政型流行の対戦事情は一番難儀な時代だった。でもその不遇を強いられる反面、それによって簡単に戦略間有利を得られるし、苦手を克服したり新たな発見にめぐり合えるもの。もう大分前からその戦術を主力として動くようになり、今では結構馴染んでいると思う。

 RTSのゲーム性の都合と、その流行の事情から、堅さの配慮が疎かにされているのをさらによく見るようになったが、体制の維持を大事にするディフェンスのプレイヤーとして、またそれは基本に忠実とも言える、そして美観と風格を与えることに期待できる、そういう実直な戦い方で王道の道を進んでほしかった。
 速攻勝負するプレイヤーが少なくなり、また、相手の弱点を狙い撃ちする対応型のプレイヤーの人材が不足している事情から、そんな雑なやり方が許されてしまう対戦事情を整地したい。その畑は耕せない。何故なら、私の軍隊が押し寄せているから。
 フランス即狩猟テク14人進化400木4クルール、トルコ進化400木即V、変化なしの中国2村700金即V、強引成立目指す日本ポルトガル領事館杜ブームなど、、、堅さに不備があるやや博打内政型とも言うべき、それは狙って行っているのか、ディフェンスや対応に対する無理解か、対戦事情の偶然的メリットで一時的戦果を上げることができても、その地盤の脆さを暴いてみせる。
 逆に驚くような戦略手段を用いてさえ、後手内政型戦略に対する、恐らく完全に近い包囲網を敷くことの準備もできた。勢力図を塗り替えてメタ戦略を循環させないと対戦が面白くなくなってしまうので、今後はその集中砲火の脅威におびえて過ごしていただこう。

 さて、その実践上の心得について述べるよりも先に、その戦型の基本的な考えについて述べたい。別名として、先手内政型や、資源封鎖戦術と呼ぶこともできるが、表題の呼び方が一番適しているように思える。というのは、ここでの狙いは、その内政や資源封鎖に特化するものではないから。それらは手段の一要素にすぎない。
 後手内政型に対して先手を取り資源封鎖を成立させ、そして内政においても負けるようなことがないようにしたい。そうすることによって作戦勝ちの形勢を得られるということになるが、資源封鎖だけを成立させても、後手内政型の内政によるカウンター手段に負けてしまうから内政を作らなくてはならない。そしてここでの主要な目的は主導権獲得であって内政が第一目的ではないので負けない程度の内政がむしろよくて、そうやって初弾軍備に力を入れてその成立を目指したい。
 問題点の多いイロコイ高速進化5農民手順が主流となってしまったが、私が何故に劣化カードを使ってさえ高速進化600木手順にするのは上の理由を含む。
 その先手内政型に対する対応戦略となるところの、初弾カウンター速攻というものが一般に浸透していないように思われる対戦事情において成立が許されているだけで、その5農民手順やトルコ交易内政などは潰せる、もしくは相手にとって望ましくないものにさせたり形勢を傾けることができるもので、600木手順の場合にはその耐性を得ている。

 それでは実技の方を述べていくと、一番大事なことは頻繁に攻めを見せて重圧を与えることだと思う。それによって内政拡大と資源採りづらくさせ、また、進化カウンターを封じることができる。
 その重圧が弱いと後手側有力手段のハラス投与の余裕を与えてしまうことになり、先手側は資源遠征比率高めなので、そのウィークポイントに突き刺さる。そしてそのハラス対応で時間稼ぎされている間に後手側の内政と進化を許しカウンターチャンスを与えてしまう。その対処法は、先手側のディフェンスとは攻めることにある。ハラス対応に付き合うよりも、そうやって重圧与えてハラス投与させないようにしたい。
 また、そのマップ適性というものも発見した。狭いマップの方が適している。というのは、ハラス投与されたときに軍隊を駆けつけやすいから。

= 実践感想 スペイン槍弓2小屋ラッシュから内政シフトvsスー遅め進化馬兵ハラスブーミング 参考実戦リプレイ
 TC防衛施設が優秀だっただけでなくて、そもそも即詰み速攻つまり勝負手段なんて相手が対応しているのなら決まるものではない。軍の出し戻しと内政整備を延々と続けていくのが通常。即Vカウンター用いれば試合展開早められるけど、それを許す許さないの読み合い勝負がある。

 対戦相手はそれを理解しての、そして徹底した馬兵ハラスブーミングの戦い方を習得している感があり、自分から当てる気はない。機動力活かして分隊している敵軍の各個撃破と、ハラスと本陣カウンター狙いしかしない。一番反射神経と集中力を使うそのスー相手に長時間それをやらされることになるから、いや、私の感想はそこまでにしたい。

 突っ込んだらカウンターになるから、軍見せて戻してを繰り返して、ハラス侵入するなら攻め込みますよと語って行動制限するのみ。その均衡条件からお互い隙を見つけようとして、進軍やハラスや内政拡大などでアドバンテージを狙う。
 ハラス侵入見たらむしろ抜き合いで進軍した方がいいと思う。そうやってハラス軍を防衛に戻させるのが最大の防御手段。
 この試合ではマップサイズ小さめだったので受けのための軍隊を戻しやすく、ハラス受けと進軍の2択を用いれるような感じで戦いやすかった。

 その維持に成功していれば先手側の方が内政伸ばしやく、天然資源がなかなか尽きることがない。後手側が内政作ろうとするには、天然資源なければそうする意義に乏しいし、目の前の軍隊に対する受けを成立させるために内政拡大を躊躇する。

 そのままいければ先手側は理論実践ともにいい仕事を果たせたことになったのだけど、宣教師軍強化成立までのやや長めの隙のあるときに急所にハラスが突き刺さって崩されてしまった。そしてスー側はその間にV進化を成立させるという常套手段を用いる。
 それで形勢逆転されてしまったかと思ったものの、実はまだスペイン側に分があった模様。これが先手アドバンテージの凄さだと認めてもらってラッシュプレイヤーが増えてほしい。
 しかしBBDogSoldierカウンターの警戒できずに、最後に本物の逆転をされることになった。


 ・居飛車直行即V戦法vs振り飛車生産軍ハラススタート戦法 (2011/TAD1.03)
(これはとりあえずは覚えなくてよいこと)

 AoE3でも戦略を二分類できる。そして両者間において同種のオーダーが存在しない。居飛車穴熊の真似をしたくても、振り飛車穴熊とせねばならずまったく同種ではない。直行の即V側は2RやSemiFFができないし、生産軍ハラススタート側は直行の即Vや即Vタートルブームの形を作りづらい。だからこそそういう分類する価値がある。開幕に一度その駒組みを作ったら発展の形が異種的となる。

<直行即V戦法の種類>
 即Vラッシュ
 内政型の直行の即V
 即Vタートルブーム
 即W戦略
 2ラッシュ即V(追加)

<生産軍ハラススタート戦法の種類>
 2ラッシュ
 内政型2ラッシュ
 SemiFF
 SemiSemiFF
 SemiFI

 同戦法対決となるよりも、異種の形と戦わせるので面白いと感じるのではないかと思う。同種対決となることがまずなくて、相性有利に導く駆け引き勝負が必ず存在する。
 そしてこれからその相性関係について述べていこうと思う。戦型間相性についてほとんど多くは以前に述べているけど、ここでの分類に合わせての確認作業を行いたい。

 その前に一般に不慣れな形と思われる戦型についての説明をしておかないと親切ではない。それは内政型の直行の即Vと即Vタートルブームについてであって、例えば前者は中国が即Vすると進化中の農民生産と2つのワンダーでナチュラルにその形になる。ポルトガルが即Vすれば文明条件的に即Vタートルブームの形となるけど、他文明でも意図的にその形を作れる。
 でもそうやって意図的にその形を作ろうとするプレイヤーが少ないから、その中国とポルトガルなどでしかあまり体験できない。直行の即Vは即Vラッシュの一発勝負の形だけではなくて、別種のものや発展形を備えている。そして戦略的に完備されている直行即V戦法とできる。この考え方の認識が一般に乏しいと思われる未開分野である。その単体を取り扱うプレイヤーは普通に存在するけど、構成や発展性を持たせている戦略プレイヤーはあまりいないのではないだろうか。

「即Vラッシュ」 >2ラッシュ
           =内政型2ラッシュ
           <SemiFF
           >SemiSemiFF
           >SemiFI

 進化スピードに特化している直行の即Vは2ラッシュに対してカウンターを間に合わせることができ、そして早期軍事強化のアドバンテージで優位を得る。
 内政型に組まれると、その内政アドバンテージで、時代差の優位を得ても戦われてしまう。微妙な加減で有利不利が生じるがここでは細かく述べない。
 SemiFFは、道中軍備不在の直行の即Vに対して生産軍ハラスアドバンテージと、それで押さえ込みを果たしている間に内政と進化を成立させて差を付ける。
 SemiSemiFFとSemiFIでは、即Vラッシュのスピードに対して進化カウンターが間に合わない。

「内政型の直行の即V」 =2ラッシュ
                >内政型2ラッシュ
                =SemiFF
                >SemiSemiFF
                >SemiFI

 これが居飛車直行即V党棋士の答えだ!内政的発展の乏しさから、普通の直行の即Vは攻略されやすかった。しかし内政型に組むことにより万能に戦えてしまう。
 具体例を挙げると、KneeBuakaw日本即Wがこれを通過しているし、上に述べた中国即Vや、ドイツの3SettlerWagon自力即V、スペイン即交易金微増経済理論18人進化5Settler即Vのような意欲型など。
 2ラッシュに対してカウンターが間に合うか間に合わないかの勝負。植民地民兵受けを挟んだり、塔を建てて追い返すなどの工夫がある。
 内政型2ラッシュに万能に戦われていた仕返しとして、内政型直行即Vを提示する。内政やや不利で時代差のアドバンテージで戦えれば即V側有利に。イギリスvs中国を想像すると分かりやすいと思う。進軍急いでSemiSemiFF移行を許さずカウンターを間に合わされるつもりはない。

「即Vタートルブーム」 >2ラッシュ
               =内政型2ラッシュ
               <=>SemiFF
               <=>SemiSemiFF
               =SemiFI

 即VからTC即増設の堅さと遅効性内政のこのタートルブームは基本的に万能に戦える形。2ラッシュでは息切れしてそのタートル体制を落とし切れない。
 SemiFFとSemiSemiFFが仕掛け迅速なら有利となるし、もたもたしていると遅効性の内政が育って即Vタートルブーム側に形勢が傾いていく。例えば即Vラッシュを偽装して、その時間稼ぎをしている間にTC即増設し遅効性の内政を伸ばして優位に立とうとする戦術がある。直行の即Vはそういう内政的発展も存在するのに一般にあまり用いられていない。
 即V初弾ハラス速攻で即Wの駒組みを妨害することができるけど、即Vタートルブームは詰めるラッシュはできないので、強引な即Wや後でW進化許してしまうことになる。

「即W戦略」 >SemiFF
         =SemiSemiFF
         =SemiFI

 2ラッシュ系統の戦術に対しては、通過する即Vで対抗することになる。
 SemiFFに対して進化アドバンテージで軍事的優位性で勝負することができる。即Vラッシュでは負けていたSemiFFに対するカウンター返しの技となる。SemiFFの仕掛け遅れるその間に即W成立許される。通常は許されない即Wは、そうやって相手に合わせて成立させることができる。
 SemiSemiFFや内政型SemiFFで、即Wの進化アドバンテージに対抗できる。少し内政作るSemiFIに対しては即工場設置で内政差を回復できると思う。

 私はどちらかといえば振り飛車生産軍ハラススタート党の棋士に属していたと思う。対応的技巧派プレイを行いやすい生産軍ハラススタートの方が恐らく私のプレイヤータイプに合致させやすいとしても、これからはもっとオールラウンドに戦っていきたい。というのは、直行即V戦法の戦略的プレイヤーの人材が不足していると思えるからで、こちらに属するプレイヤーは一本気気質の人が多いだろうから戦略的発展にあまり期待できず、でも実は直行即V戦法は戦略的技術開拓できるものであって、その発展を私は見たいのだ。
 直行の即Vが弱いと勘違いしないでほしい。今まではその研究不足の隙を付けていただろうけど、ただその人材不足なだけだったことを証明するために、まず一人の研究者がその改善に立ち上がった。


=== SemiFFは基本的にTC増設タートルブームに即移行しない
 一般にSemiFFの対戦型ではTC増設することをせず、そのままマップの天然資源が尽きるまで戦って、それでも勝負がつかなかったらそこでようやくTC増設することを見ていると思う。
 その理由とは、SemiFFの内政作って且つ早期軍事強化の即V成立は、それ自体として作戦勝ち的な駒組みアドバンテージを得ていて、もうそのまま戦えてしまうことと、SemiFF成立やや遅れるその間に結構周辺資源を消費してしまっていて、そこから小さく篭って戦うことになるTC増設タートルブームに移行するには条件がよろしくないから。尚、高速進化などで早めSemiFFなるものでのその移行は特例的にだが有効となる。
 また、フランスやインドの場合には、例えばフランスSemiFFでそのまま戦ってから、それで戦線を膠着させている間に遠征資源地に2ndTC建ててその内政バランスを保ったまま維持に努める戦い方が有効というより文明条件に即させるためにそのようにすべきなのだが、これは後づけタートルブームである。

 つまりTC即増設タートルブームは居飛車直行即V戦法特有のものであることがよく分かる。以上の戦略二分類の重要要素なので特化して述べておきたかった。


=== 2ラッシュ即Vという戦型が居飛車直行即V戦法に分類されることについて
 まずこれは一般的に注目されていない戦型である。SemiFFは流行しているが、こちらはハラス入れつつ内政作ってV進化するというのを一応定義としている。
 その2ラッシュ即Vという戦型としての一般意識はあまりされていないと思うけど、結構知らずと活用されていて、例えばスーの高速進化4AxeRider生産BowRiderハラスラッシュからそのまま内政作らないで700金V進化目指したり、内政作るのが不向きなトルコで劣化4Settlerカード使わないで軍カードを使いそのまま700金でV入り目指されることもある。
 速攻文明がSemiFFしても、その成立遅れるその間にあまり内政作れないから不向きな条件となりやすく、逆にその2ラッシュ即Vなる戦型が有効となりやすい。2ラッシュスタートからそのまま詰めようとしないで、矢継ぎ早に内政を経由せずに即Vラッシュを仕掛ける。ラッシュtoラッシュの形。

 それを居飛車直行即V戦法に加えようとする。右四間飛車が飛車を振っているのにも関わらず居飛車に分類されているように。
 例えば、トルコがその2ラッシュ即VからTC即増設タートルブームをすることは有効となるのだけど、これは居飛車直行即V戦法の特有なものとしてある。天然資源の消費が少ない速攻スタートからのタートルブームの移行は、その資源が温存されている条件での小さく篭るタートルブームは有効となる。また、そういう速攻スタートからのTC増設タートルブームへの移行は、ポルトガル即Vよりも事前に内政地を拡げやすい戦術的メリットもある。
 2ラッシュを最初に挟むけど、続いては即Vの形に収まるということになる。内政作らないで進化に特化して、速度と早期軍事強化の即Vのメリットを活用しようとする。だからつまりそれは直行の即Vの形として判断していいのだと思う。言葉の意味的ではなくてその分類の特徴として。


 ・急戦型・持久戦型の相性関係について (FP1.0)

 仕掛けのタイミングこそが勝敗に最も影響するものだと思っている。
 戦型には序盤に力を入れる急戦型と、力を蓄えてからの勝負を志向する持久戦型が存在し、これらは速攻型や内政型とも呼ばれている。
 それらの戦型間には相性が存在しており、以下のような関係となっている。

  急戦型>持久戦型初動
  急戦型<持久戦型
  内政重視の持久戦型>普通の持久戦型

 説明していくと、軍備を抑えて内政に力を入れていくその初動は、その間はそれだけ軍備不在となって、急戦型に対して隙を作ることになる。
 急戦側はその攻めのタイミングを逃して、国力充分とされてしまうと、持久戦型に対して対抗できない。
 お互いに持久戦を志向する場合には、早めに内政を作っていた方が先に国力充分となり、有利な形勢を確保できる。

 急戦型・持久戦型の概念は、ラッシュ・タートル・ブームといったものより一般化に成功しているように思える。というのは、タートルとブームは実は基本戦略の付加的手段であって、存在する基本戦略はラッシュかカウンターしかない。タートルかブームそれだけを目指しても戦争で勝って制覇勝利とすることができないことを知れば分かることである(忘れられたモノポリー勝利条件を除く)。

 以上のような読み合い勝負のための基礎的な事柄とその相性関係を知り、瞬時な判断が求められるリアルタイム運営では、個別条件よりも総合され簡略化したものを優先して取り扱って判断の遅延を防ぎ、そうした形勢判断から仕掛けのタイミングを計り、最も大きな勝負どころに臨むことになる。


 ・即Vから急戦を目指す場合、ベテラン化の手間や費用を割くのは避けたい。

 即Vに費用を割いている分、そのため軍備が少ない状態では、その軍強化効率に淋しいし、ベテラン化の研究中は軍隊を生産できなくなってしまうし、そうすると急戦を目指しているのに、そのための軍事力を確保するのに難が出てしまっている。よって、即Vからの急戦を目指しているなら、最初からベテラン化されているユニットを使うべき。
 もちろん、相性攻略の都合でベテラン化を組み込んだ即V急戦を否定はしていない。それ自体的な効率を目指す場合には、上のようにするべきであるということをここでは言っている。


 ・偵察について

 偵察で相手行動を読み取れれば、それだけ対応が容易になり、重要な手段であるが、この偵察行動にはリスクが付きまとっているから、予め偵察ポイントを考慮しておくことが必要となる。
 そのリスクとは、スタートで探索者が偵察していると、財宝を稼げなくなってしまうので、このことを考えると、その偵察の必要性がなければそうする意欲が生じないだろう。
 軍隊生産できる時間帯になってきたら、今度は偵察要員が倒されてしまう危険性が生じる。この場合にも、必要性がなければ、不要な偵察は避けたい。

 具体的な偵察の必要性の一例を述べていくと、日本戦だったら領事館偵察が重要だろう。海内政を武器にしている文明相手には、沿岸の偵察が必要になってくる。戦線が膠着して、大軍戦になる場合には、事前に相手軍ユニットを偵察できておかないと、相性負けして、劣勢を強いられることになるだろう。

 以上のように、偵察は考えなく行われてはならないもので、つまり、戦略に組み込まれる形で行われることが望まれる。

 ・文明特徴の3分類法について

 文明別に対応戦略を開発することは骨が折れる作業であり、開発当初はそうした細分化された研究は避けて、汎用的な輪郭作りから始めることが合理的と言える。
 とはいえ、1つの戦略を持つだけでは通用しづらく、複数手段を持っていなくてはならないが、この場合にまずは細分化を避けたい。
 そうするには、各文明の属性を決めてやり、文明別ではなく、その属性別に対する対応戦略の開発をするというようにすれば、短期間の内にプロトタイプを完成させることができ、次にはそれによって試行経験を稼いで、実証作業と合わせて開発を進めていけば、理論だけではそうしづらい開発作業を円滑に進められるものだと思う。

 では、その属性について述べていこうと思う。
 @ 速攻文明の属性
  この文明は、開幕軍備ブーストに優れ、主導権を握るのに好条件を持っているが、しかし、内政拡大にはやや難があるタイプである。
  具体的なその文明は、イロコイ・アステカ・スー・トルコ。
  このタイプの文明に対しては篭り戦略が有効である。

 A バランス文明の属性
  何でもできるタイプの文明であって、しかし、偏ったブースト手段を欠くから、対応する側は、特に戦略を選ぶ必要はない。
  具体的なその文明は、スペイン・ドイツ・フランス・ポルトガル・ロシア・中国・インド。

 B 内政文明の属性
  内政ブースト手段を持っている文明だが、しかし、開幕軍備に難があるため、その初動は受け身になりがちのタイプである。
  具体的なその文明は、イギリス・オランダ・日本。
  このタイプの文明に対しては速攻ラッシュが有効である。


=== タートル文明の追加 (2011/TAD1.03)
 その理由の引用文:

 インドはラッシュ文明でもなければ(前アグラ戦略を見ると、初心者の人はそう思ってしまう恐れがある)、万能国家でもなく、実はタートル文明である。文明を以前に三分類した。速攻文明とバランス文明と内政文明と。それをもっと詳しくするなら、タートル文明の四分類とする必要があって、ポルトガルとインドがそこに加わる。
 序盤内政あまり作れないから、初弾速攻で相手の駒組み制限して相ブームを回避し、そして内政伸びるけど遅効性の内政が充実してくれるまでの間、タートルしてやり過ごす。それが基本戦略となるしかない文明。
 インドの本来の理想はTC増設してタートルブームを完成させてからが勝負の時間帯。農民生産に木材を使う分だけ天然資源温存につながって、それは長く篭るのに有利な条件である。


 ・一般的なアドバンテージ獲得の手段について (FP1.0)

 戦略ないし作戦は、勝利のためのアドバンテージ確保を目指して事前に創作されることになる。そのためどのような行動がそうするための手段となるのか知っておかなくてはならない。
 また、試合展開が暴れて、作戦勝ちを狙いづらくなってしまった戦況では、その現場での即応能力で対応せねばならないが、この場合に一般化されたアドバンテージ獲得手段というものを心得ておかないと、何をしたらよいのか分からなくなってしまう。
 未知の戦いを強いられるときに、まったく目先の事柄だけに対応するのではなく、その場で戦略を考え実行することで有利な試合をものにするには、一般化の技術が必要となってくる。
 そのような考える時間があまり与えられない事情にあっては、戦略を簡略化する必要があり、一般化されたアドバンテージ獲得手段というものを、ここでの場合の戦略の構成要素とすれば、それを容易にする訳である。

 それでは、これからそのような一般化されたアドバンテージ獲得手段を列挙していくことにする。

 <偵察>
 偵察によって相手の事情が分かればそれだけ対応しやすくなり、内政を稼いでいるようであればラッシュを仕掛けたり、生産されている軍ユニットの偵察によってユニットの相性合わせを行うなどといったことが可能になる。
 カウンターを目指すのであればマップ中央に偵察ユニットを置いておき、そうやって早期に進軍を察知できるようになると、それだけ対応を容易なものとする。

 <主導権確保を目指す>
 前線に軍隊を集めてマップを支配することによって、内政地、つまりは天然資源の確保ができることで内政的アドバンテージを確保することができるようになる。また、そのような前を取っている形勢ではハラス進軍を容易にさせ、農民を削ったり、建物建設の妨害をしてやれると、それだけ差を付けることができるようになる。
 これはラッシュ側の常套手段であり、カウンターを目指す側にはあまり縁がない。

 <カウンターを狙う>
 迎撃体制を作り、その迎撃効率で勝負していくというもの。この場合には内政地確保が困難となるので、早期カウンターラッシュで領土を拡げることにするか、本陣篭りの内政ができる条件にあれば、延々とした本陣受けカウンター狙いや要塞戦略というものも可能となる。

 <国力増強を目指す>
 戦線が膠着し突破口を開けない戦況にある場合には、国力を増強することでアドバンテージを獲得するための手段とできる。具体的には内政拡大と軍事力向上を目指すことになり、そうした軍隊量産体制と軍事力強化が戦争に勝つための大きな手段とできる訳である。

 <その文明の強い時間帯を知る>
 文明特徴からして、文明によっては強い時間帯というものが存在しており、勝負を仕掛ける場合、普通にはその時間帯に合わせることになる。
 よって相手文明のそのような事情を知っておければ、相手が強いときには積極的に攻めることはしないし、力を蓄えて後になって勝負を仕掛けてくるような相手には、早期ラッシュを目指し、その妨害をしていく訳である。
 マップ依存の内政拡大手段や独自戦略を採用されると、その文明特徴に異変が生じるから、それらも考慮できるのでないと正確にはいかない。


 要約すると、偵察によって戦況を把握し、そこから方針を決めることになるが、その基本の選択肢は2つしかなく、ラッシュを仕掛けるか、カウンターを目指すのかどちらかということになる。
 戦線が膠着したら国力を増強して後を続けることに不満をなくしていき、後は勝負どころを見極め、そのタイミングに仕掛けていくということになる。

 ひとまずは最も基礎的なものを取扱ったが、以上のような一般化の技術の進歩を得られ、ある程度の詳細化を可能とさせれば、序盤戦略外の戦略的アドバンテージの獲得も目指していくという、新たな技術上限を見出すことができ、現場の即応で案出されたものよりも、事前に考え練り上げられたものの方が優れたものであることに異論を申し立てる者は少ないはず。


 ・主導権を確保するための求められた条件について (FP1.0)

 前線に軍事施設を確立し、そうしてから軍備充分とし押さえ込みを成立させ、チャンスであれば即詰みまで狙い、普通にはハラス進軍で内政封鎖やカウンター体制を妨害していき、そしてマップの天然資源の確保や交易所独占といったアドバンテージを狙えるため、前を取っていくことが有効手段となっている。
 そうした主導権を確保するには優れた条件というものが必要となってくるが、それらを以下に列挙していく。

 <進化スピード>
 普通には軍隊を生産するためには時代進化をせねばならない。そのため、この進化が早いほど開幕に軍備を揃えやすく、こうした条件は主導権を確保するための大きな武器となる。

 <軍事施設の優位性>
 BlockHouseやWarHutといった、カード軍搬送ポイントも得られる施設を使える文明は、前哨を建ててやるコストを抑えることができ、その分を軍備に使えるようになり、これは主導権を確保するのに優れた条件となる。中国の前線村も同様に有効だが、その施設からの攻撃力は得られない。
 その王様といった施設がインドのAgraFortであり、インドは序盤ブーストに難がある文明にもかかわらず、その施設のおかげで主導権を握るのに長けている。
 以上のような施設の恩恵を得て、前線に軍備を集めやすいという条件は、前で戦うための重要な手段なのである。

 <カード軍の所有数>
 持っているカード軍の数が多いほど、序盤に軍備を欠かさないことができ、この条件は前を取るために貢献する。速攻を目指す場合、前線に軍事施設を確立し、そこからの生産軍とカード軍連打で進軍していくことが普通だが、カード軍を使い果たしたら、そこから体制を整えなおすといった準備期間を強いられることになり、その期間は隙となってしまう。
 そのためカード軍を多く持ってさえいれば、継続した軍備充分の速攻ラッシュが可能となって、前で戦うのに長い間を軍備欠かさずにできるのは、主導権を確保するのに是非ともほしい条件なのである。
 尚、資源箱回収型の軍備では援軍スピードに難が生じてしまって速攻するには向いていないし、前で争う場合にはそれだけ着弾スピードが速くなるので、それに対応しづらくなるから、その手段はここでは適切ではなくカウンター向きの手順である。

 <経験値ブースト>
 このゲームでは序盤にカードがたまりやすい仕様となっている。そのため経験値を稼ぎやすい条件を備えている文明は序盤を強くすることができ、そうした条件は速攻を目指すのに意欲を生じさせてくれる。
 アステカの初期神官経験値ダンスやWarChiefの経験値ボーナス、スペインの経験値文明ボーナス、日本の鳥居経験値ボーナス、即TP建設しやすい条件などといったものがそうである。

 <人口スロット確保のしやすさ>
 代表的なのがスーの家不要ボーナスで、軍隊を生産するのに家を建てずに済む分だけ軍備を稼ぐことができ、序盤の軍備を他を圧倒することができるようになる。
 逆にこれがしづらい文明は、開幕に前を取りづらい条件となってしまっている。イギリスと日本がその代表で、家コストが高い分だけ、軍備を急ぎづらくされてしまっている。中国も村の建設費用が高くて、人口スロット確保を急げない条件が、開幕に前で争うのにやや不都合とされている。

 <軽歩兵ラッシュに優れる文明条件>
 軽歩兵では攻城性能に乏しく、即詰みは狙いづらいがしかし、戦線を維持するには非常に長けているユニットであって、単に主導権確保を求めるのならば軽歩兵ラッシュを目指すべきである。
 普通には開幕に馬兵生産を急ぐことは難しく、そのため対抗兵少なめの条件と、重歩兵アンチボーナスと射程で効率よい戦いができるからである。
 代表するものはアステカのMaceやロシアのStrelet、イロコイのAennaなどである。

 <その他の序盤に強い条件>
 他に序盤ブーストするのに優れた条件を備えているのなら、主導権確保をそれだけ狙っていける。
 例えばトルコのSettler生産費用不要ボーナスが序盤ブーストに貢献しているし、イロコイの進化Travoisボーナスもそうである。


 それでは、主導権確保に優れた文明の順位付けをしていきたいと思う。尚、ここでは文明間の相性的なものは考慮に入れておらず、また、特殊戦略を用いず、普通の戦略を適用した場合を考えている。

  Aクラス          Bクラス          Cクラス
 1位 インド        7位 中国        11位 イギリス
 2位 アステカ      8位 ドイツ        12位 日本
 3位 イロコイ       9位 ポルトガル    13位 スペイン
 4位 スー         10位 フランス     14位 オランダ
 5位 ロシア
 6位 トルコ

 1位のインドは、序盤ブーストに難がある文明特徴なのにもかかわらず、この地位を占める。インドはカードがたまりづらく、また、おまけでもらえる農民は持久戦向きのボーナスのために序盤軍備ブーストに難があるのだが、前線に建てるAgraFortが非常に強力な主導権争いのための手段となって、そのHPの高さと攻撃力に対して、対応する側はしばらく近寄ることができない。
 進化の早さと、家の建設費用が少しだけ安いのが地味に効果を持ち、速攻を目指すのにも不満のない文明特徴を有している。

 2位のアステカは、インドの特例さえ除けば他を圧倒する。初期神官の経験値ダンスとWarChiefの経験値ボーナスによってカードブーストを可能とし、序盤ブーストを成立させる。そして豊富に所有するカード軍によって継続した軍備充分の速攻ラッシュを可能とさせる訳だから、これに普通に対抗できる文明は存在しない。
 WarHutによって前線に軍備を集めやすい条件や、カードMaceを2枚持っていることも有利に働いている。
 進化はやや遅いが、進化2SkullKnightをもらえるのでそれを補えている。高速進化を使えば進化は早いが、現在の主流は前者の進化手段を用いる。

 3位のイロコイは、進化Travoisをもらえる影響で序盤を強くできるのだろう。そして強力なWarChiefや転向兵の参戦が可能なことも見逃せない。
 進化の早さとWarHut軍事施設が使えること、そして多く所有しているカード軍によって、速攻文明と呼ばれるのに充分な条件を備えている。

 4位のスーは、何より家不要ボーナスが速攻を目指すのに優れた条件となっている。しかし、序盤にはそのボーナス全てを有効利用できないため、普通には軍備をためてからの勝負を目指した方が強いと思う。
 後は他の先住民文明同様に、WarHut軍事施設を使えることや、多く持っているカード軍によって、速攻を目指すのに優れている。

 5位のロシアは、BlockHouse軍事施設が使えるという条件と、3枚も持っているカード軍によって、主導権争いに長けている。尚、BlockHouseは人口スロットももらえるのでWarHutよりも性能が高い。
 Streletが戦線維持のためによく働いてくれるだろう。カード13Streletによって、その軍備も容易としている。
 進化がやや遅いのが難点か。そのため前線構築がそれだけ遅れ、一時期に民兵でその前線派遣要員を退治するという戦略が流行した。私は今でも体力減らない中国民兵でそれを狙っている。

 6位のトルコは、前線にカード軍搬送ポイントを持てないことや、持っているカード軍の数が少ないのにもかかわらず、進化の早さと、Settler生産費用不要ボーナスによる序盤ブーストで、速攻を目指すのに不満がない。

 7位の中国は、前線村でカード軍搬送ポイントを得られ、また、3枚も持っているカード軍によって主導権争いに参戦できる。
 しかし、村の建設費用が高くて、そういった人口スロットを確保しづらい条件が軍備を急ぐのに難が生じている。そのスロットを確保した後には、ワンダー効用も合わせて、軍備充分の速攻ラッシュを可能とし、初動はやや後手を踏むが、少し待てば充分に戦えるスペックを有している。尚、進化はやや遅い。

 8位のドイツは、ロシアBlockHouseのような軍事施設を使えないし、進化もやや遅めだから、前を取りに行くにはやや不満。
 対戦相場上ではあまり使われていないが、前線に自力で前哨を建てれば前線に軍備を集めやすくなり、主導権争いにそれだけ不満がなくなる。
 ドイツはカード軍を3枚持っており、そのカードにはおまけUhlanも付いてくる。ドイツの文明仕様としてカードはたまりづらいにしても、序盤はゲーム仕様によりカードを多く使っていけるので、それによって継続した軍備充分の速攻ラッシュを可能とし、中国と同様に少し待てば対抗できるようになるどころか、有利な戦争を期待してもよいのだろう。

 9位のポルトガルは、複数TCからのSettler生産費用を割かなくてはならない分だけ、序盤に充分な軍備を揃えることができず、主導権争いには後手を踏む。
 しかし、前線TCを利用することで不気味な可能性を秘めている。進化が早いのもそうするのに都合がよい。

 10位のフランスは、カード軍を2枚しか持っていないから、それだけを前線から出現させるのに前線搭を建てるのは躊躇するし、進化もやや遅めなので、普通には本陣スタートの文明である。
 特殊戦略として扱ってよいと思う先住民ラッシュや、カード6Huronを使ったラッシュを行えば、その事情は変わる。

 11位のイギリスは、家の建設費用が高く、また、その建設に時間が掛かるため、人口スロット確保に難が生じ、速攻を目指すのに向いていない。カード軍を2枚しか持っていないのも都合が悪い。
 1枚目のカードを300木にして家を建て人口スロットを確保し、人口スロット不要のカード8チェロキーを使うことでイギリスでも前で戦えるという特殊戦略が存在するが、一般的な考えとしてイギリスは開幕に前で戦えない。

 12位の日本は、杜の建設費用の高さから人口スロット確保に難が生じ、資源収集効率にやや欠くイチゴ収集をせねばならない条件が開幕ブーストに難を持ち、速攻するのに向いていない文明である。
 しかし、東照宮ワンダーで人口スロット確保したり、鳥居での経験値ブースト、複数回使える軍カードや、領事館による軍事力強化などで、早期カウンターラッシュから主導権を奪い返すということには長けているが、この件はここで取扱うことではなかったか。
 和弓の射程と攻撃力は戦争の主導を握るのに役立つだろう。

 13位のスペインは、文明特徴でカードがたまりやすいというボーナスを有していながら、こんな地位を強いられている。カード軍を多く使っていけても、カード重歩兵しか使えないとあっては、戦線維持するのにあまり役に立たず失脚となってしまう。進化が、微〜やや遅めの条件からしても、開幕に前で戦いづらい。
 WarDog強化カードで評価を変えることができるかもしれないが、とりあえずは未知であるとしておこう。パッチでRodeの通常攻撃力が上がればそのチャンスがある。

 14位のオランダは、普通には銀行ブームをするものだと考えて、カウンタースタートの文明としてこの評価。
 10人進化のPikeラッシュという戦略を用いれば、その事情は大きく変わる。進化が早く、また、Skirmを使えるということで、オランダはその気になれば速攻できるのだが、一般には使われることがない。


 開幕に前で戦うには強すぎる相手に対して前を取りに行くと、それで終わってしまう可能性が高いので、ここでの知識は戦略上において重要であり、相手を選んで、前線スタートにするか、それとも本陣カウンタースタートにするのかという選択は、始めに為されるような戦略的事柄で、文明間攻略でなくてはならない考察要素である。

=== スペインの順位変動 (RE1.02)
 カード資源箱を回収してそれを軍備代に使い、それで2R速攻することで、スペインでも普通の2R速攻の形を作れるようになった。
 カード資源箱回収型では、それだけ援軍効率に乏しくなるが、スペインの序盤ブースト性能によってそれを補っている。
 具体例としては、16人進化300木手順とし、事前にそれだけの資源を得ることで、体制作りを迅速にさせる。そうして前線2小屋として、カード資源箱を回収しながら2小屋まわしすれば、前線スタートのラッシュができるようになる。

 そのため、Cランク13位に据えていたスペインを、Bランク7位に昇格させた。


 ・各文明の強い時間帯について (TAD1.03)

〜開幕〜 序盤初期 序盤後期 中盤初期 中盤後期 〜終盤〜
スペイン   B-   A   A   B   B-   B-
ドイツ   B-   B-   B+   A   B   B
イギリス   B-   B-   B   A   B   B
フランス   B   B   B   B+   B+   B+
ポルトガル   B+   B+   C   B-   B+   A
ロシア   B+   B+   B-   B+   B+   B+
トルコ   A   A   A   B   C   C
オランダ   B+   B   B-   B+   B+   B+
アステカ   A   A   A   B-   B-   B+
イロコイ   A   A   A   B   B-   B-
スー   B+   B+   A   A   B-   B-
中国   B-   B-   B   B+   B+   A
インド   A   B+   C   B   B+   B+
日本   B+   B+   B-   B   B+   A

 自分の強いときに仕掛けることをし、相手が強いときや自分が脆い時間帯は勝負を避けるようにする。これは最も重要な攻略法だと思う。そのための知識を明らかにしていきたい。

 時間帯の区分けを最低6分割以上にはせねばならないことを認めた。以前は3分割でまにあわせていた。特に開幕という時間帯の区分けを設けたかった。というのは、序盤は弱い文明というとき、開幕も弱いと誤解される恐れがあるからで、そして開幕は強く序盤は弱いという文明条件が少なくなく、またその落差が激しいものなので。例えばインドポルトガルが顕著な例。

 表での評価は単に一般的な条件を考慮したもので、基本的な文明条件と主要戦略を前提としている。例えば、前線アグラ初弾速攻やブレン戦術がなければ、上の評価のようにはならない。
 特別な戦略を用いることによって、上の評価を変えることができる。例えば、ポルトガル急戦戦略は一般的でないけど、それを用いることにより序盤に戦えるようになる。実際にはそういう特殊条件も考慮にいれなくてはならない。

 それでは、文明ごとにその事情を述べていきたい。

スペインは進化やや遅めで、進化400木の選択肢をもっていない事情により、開幕の立ち上がりが遅れてしまう。採集効率に乏しい大量伐採をして開幕の体制作りをせねばならないとなると、その資源がたまるのが遅いし資源量も少ないので強くない。序盤性能高いスペインなのに。
 その問題解消法として、Tの時代に2枚カードを使ってしまうのを私の基本手順とするようになった。スペインはどんどんカードを使っていかないと、一度に放出できないカード資源余りの非効率を被るという理由だけでなく、上のような開幕の脆さを補いたい事情があったから。だから、今は2軍落ちさせてしまっているけど、3Settler300木手順というものを導入していた時期があった。
 序盤はカードがたまりやすいゲーム仕様のため、文明メリットの経験値ボーナスで、スペインは序盤に強い文明特徴を持つ。
 中盤以降はカードが使えなくなり、そして特別な内政拡大手段を文明依存で備えていないから、基本序盤勝負の文明となる。だけど実は序盤のカード内政でTC即増設をし、そして宣教師軍強化で最後まで戦える。

ドイツは進化やや遅め、そしてカードがたまるのに必要な経験値が通常より多く必要なことにより、立ち上がりが遅い。
 しかしそこを抜ければ、カードに付いてくるおまけUhlanによる緊急的な軍配備がなされ、その直後は非常に強くなる。

イギリスは進化400木の選択肢を持っていないことと、人口スロット確保に必要な家の費用と建設時間が長いため、立ち上がりが遅れる。
 だけど、ブースト性能高い、家から生まれるSettler内政が充実してきた頃に非常に強くなる。その後は特別な内政拡大手段を持っていず、終盤に頼れる軍ユニットが特別存在しないから中盤までの文明。

フランスは言うまでもなく、そのバランスのよさで普通を保っている。中盤には効率に優れるクルール農民内政が充実し、そして頼れるGendarmeCuirassierが存在する。

ポルトガルは、Tの時代に使いやすい内政カードを持っていなかった都合上それをためておいて軍配備費用に使えることと、複数TCによる人口スロット分で開幕は強い。主流戦略のポルトガル即Vは、その条件の活用と、早期軍事強化の即Vによって、強力な即V初弾ハラス速攻というものを成立させ、それによる押さえ込みで時間稼ぎをして、序盤(序盤後期〜中盤初期)の脆さを克服しようとしている。
 複数TCからのSettler生産ブームは遅効性のため、強くなるのが遅い。複数TCで堅陣で、それに頼ってそこまで耐え忍ぶ。そこを抜ければ、複数TCで終盤の堅さを得られていることと、内政が充実しているだけでなく、畑農園移行を済ませていて、そして頼れるユニット長射程高機動のJineteDragoonを持つことができる。

ロシアは進化遅いけど、カード搬送ポイントも得られるBlockHouseを使うことができるので、それで前線拠点に軍配備を集めやすく、また、そのBlockHouseの塔の攻撃力もあり、それとカード軍を3枚持っていて、主導権を握りやすい文明特性を備えている。
 ロシアTCはSettler生産効率に優れる反面、それに費用を割かなくてはならないことから、それだけ序盤軍備に乏しくなる。でもインドポルトガルほどではなくて、前線維持に期待できる。カウンターが遅れるイギリス相手には、そのまま天然資源保有量の差と、ロシアTCで内政が劣ることがなく、基本有利の対戦条件だと思う。フランスに対してもそれと似た条件でロシア有利なのだと思う。
 前線維持できたまま中盤を迎えれば、ロシアTC内政と天然資源採集によって、ロシアの非常に強い形が出来上がる。

トルコは進化が早く、初期木箱多めで開幕に強く、Settler生産に費用が掛からないので序盤軍備に優れる。しかしそのSettler生産速度がかなり遅いので最後は内政的にガス欠になる。

オランダは進化が早く、進化400木も使えて、開幕の立ち上がりは優秀。だけど基本2Bankスタートなので、初弾速攻しにはいかない。Uの時代で使えるSkirmの射程で受けやすく、上の条件と、銀行内政で内政地をあまり拡げずに済むから手堅く内政を伸ばしていける。
 天然資源収集より効率やや劣る銀行を内政基盤とすることと、金でSettler生産する分だけ、採集効率に優れる狩猟を行えないので、銀行内政が充実するまではあまり前で戦えない。
 銀行収入で天然資源を温存でき、それで畑移行せずに済むのと、銀行内政が充実してくる中盤以降強くなる。
 Settlerの代わりに銀行で内政を務めることができるので、それで人口スロットを確保でき、終盤の軍人口枠を多く使えることで終盤は強いのだけど、Settler50人制限と銀行の内政テクノロジー上限が乏しくて最終盤の内政に問題があり、また、特別に頼れる軍ユニットもいないから、他の終盤に強い文明よりは劣る。

アステカは、初期神官の経験値ダンスと、WarChiefの戦闘経験値ボーナスで、序盤はカードがたまりやすいゲーム仕様の効果を特に活用でき、序盤が強い。
 BlockHouseと同様の施設を持ち、高速進化や2SkullKnight進化で開幕の軍配備が迅速。そして上の経験値条件でカード軍連打とすれば、軍カードを何枚も持っているので、継続して攻め続けられる。
 先住民文明は初期農民5人と少なめで狩猟テク2段階持っていないので内政を伸ばしづらく、中盤以降失速しやすい。
 アステカはV進化カウンターが不向きで、というのは、射程負けするので少ない軍備で受けづらいことと、進化を待ってからNoblesHut建てて軍生産では、Vの時代から使えるベテラン兵Eagleなどの軍配備が遅くてそれでカウンターしづらい。これも中盤戦に脆い条件と言える。
 だけど終盤戦に強い独特の文明特性を備えている。畑農園テクノロジー上限が高いのと、建設可能上限数が高いWarHutNoblesHutの乱立で堅い終盤戦の体制を作ることができ、ビックボタンで人口リミットブレイクの大軍を用意することができる。

イロコイは、初期木箱が多く、進化ボーナスTravoisをもらえることで開幕および序盤性能が高い。高速進化で開幕に強い条件を持たせることができる。WarHutで前線に軍配備を集めやすく、BBTomaHawkで軍事施設持たずに軍配備を急げるので、軍備充分の高速初弾速攻が可能となっている。
 先住民文明は内政伸ばしづらく中盤以降失速する。だけどイロコイの場合には進化Travoisで畑作って、その畑狩猟テクで、他の先住民文明より内政伸ばすための手段を持っている。また、イロコイ歩兵は食料メインでの生産のため、それだけ採集効率に優れる狩猟をすることの内政効率にも期待できる。

スーは、高速進化4AxeRider初弾ハラスで、相手の立ち上がりを荒らしやすいのだけど、最近はこの手順をあまり見なくなった。アステカイロコイよりも開幕で劣るのは、まだ家不要ボーナスを充分に利用できていないタイミングだから。
 軍隊が充分にたまる頃には、つまり家不要ボーナスの恩恵を得られて、そのタイミングで特に強くなる。内政型のスー戦略が流行してきたことにより、その強くなるタイミングが遅れるようになったので、対応側はその事情も考慮せねばならなくなった。Bison進化で動物補充とその採集効率をアップできると長く戦える。

中国は、アジア文明は進化中にも農民生産することと、ワンダー建設に人員を割かなくてはならなくて、その分、開幕の体制作りの費用を確保しづらく、進化400木の選択肢がないから、採集効率に乏しい大量伐採を強いられて、その資源がたまりづらく、また、村の建設費用が高くて、小分けに人口スロット確保できず、以上の理由から立ち上がりに難がある。だからカード軍スタートにしないと軍配備が遅れて受からない。
 そこを抜けて、進化中の農民生産と、ワンダーと領事館の内政効果を得られると、後から充分強くなる。終盤は前漢で非常に強力な軍隊を得られる。人口枠220まで使えるのが地味に終盤戦で有利になる。

インドはカードがたまりづらい仕様で、また、それに付いてくるおまけ農民は持久戦向きのもので、そして木資源で農民生産せねばならない分だけ、採集効率に優れる狩猟を行えないことから序盤は弱い。
 だけれども、ワンダーを活用した前線アグラ初弾速攻戦略によって、開幕の前線争いを非常に強くすることができる。歩兵のみだけど軍生産を可能にしカード軍搬送ポイントも得られ前線に軍隊を集めやすく、BlockHouseよりも高い攻撃力と耐久力を備えているアグラ軍事施設を盾にすれば、容易に前線突破されることはなく、それで充分に時間稼ぎができる。それでインドの脆い時間帯をやり過ごし、インド内政を充実させることができれば、戦える形勢を得られるようになる。
 内政の伸びは遅効性で、おまけ農民内政はブーストタイプでなく、また、狩猟比率少な目になってしまう条件がきびしく、強くなるのが遅い。その代わりに、天然資源の温存につながり長く戦えて、また、ワンダーと領事館で西洋に対する優位性を得て、そこまで待てば最強に近い。

日本はアジア文明だから中国のように立ち上がりが遅れると思われたのに、ブレン戦術を代表とする初弾速攻戦略でその問題を克服している。
 日本の場合には、人口スロット確保のための杜を建設することで内政的効用を得られるから、300木手順としても問題なく、それで開幕の体制作りのための費用を伐採せずに調達できる。そして東照宮ワンダーにすれば、それで人口スロットが得られるので、開幕の軍配備に支障が出ない。また、東照宮進化ボーナス交易資源で領事館兵生産すれば、開幕に充分な軍備を得られることになって、それによる初弾速攻で押さえ込みを果たしている間に、日本の脆い時間帯をやり過ごして内政を充実させていく戦略が日本で有力である。
 内政はそれほど急激には伸びない。採集効率に優れる狩猟ができずに、また、杜の内政的効用はイギリス家内政に劣る。その代わりに進化中の農民生産とワンダーと領事館の恩恵を得ることができるので補えているのだけど、中盤に強くなるタイミングがやや遅いような感触。そのため、カウンターが間に合いづらいから、早期軍事強化の即V速攻ラッシュが日本に対して有効で、道中荒らされなければスペイントルコ即Vで勝てる。その条件を応用した、ポルトガル即マム本気ラッシュで日本に勝てるようになった。
 終盤が非常に強く、金閣寺鎖国大名で軍事強化上限が高くて、農民75人制限(内政は杜が代わりを務める)だから終盤の軍人口枠が多く、領事館兵自動アップも強力。天保の改革で杜の内政効率を異常にアップすることができるのはオランダ銀行に対する嫌味である。


 ・文明間相性を決める第一原因について (2012/04/16)

 軍事相性はそれほどのことではないと思う。例えばインドに対してトルコが相性有利であるという場合、その理由はインド側がAbusに対して有力な対抗兵を持たないということよりも、序盤弱いインドは序盤強い文明に弱いという、内政推移の相性で決まるようだ。その実例の多くをこれから見ていきたい。
 尚、少し主題から逸れるが、インドvsトルコのことだけど、軍負けしているときには馬兵を当てられないが、その理由は、軍備的劣勢で近接兵を当てるのは射程兵の引き撃ちで軍量負けの逆アンチされてしまうからそれはできない。そのため、序盤強いトルコに対してインド側は序盤に近接馬兵を当てられない。だからその間は例えばアグラを盾にしてGurkhaの引き撃ちで頑張るしかない。SowarがAbusに対する×1.5ボーナス付いていようとも、まだ無用の存在。序盤弱いインドがトルコほどの序盤ラッシュ性能を耐えて、軍備的劣勢を覆せればSowar追加でインド側戦える。最近その経験をよく得て印象強まる。

 そのため、普通にはイロコイもインドに対して有利だし、文明スペック差がなければスペインもインドに対して有利。ただ、例えばスペイン即VはMusketeer(Sepoy)ラッシュ受けづらいので、その問題を解消できないと辛い。
 私の立場では研究や実戦経験を得づらいアステカvsインドだけど、一般にインド有利説の認識が強まっているらしいのが少し解せない。当時のあまりうまくない私のインドでは余裕で押し潰されたし、内政配分の調節や軍事相性の研究を進めれば、その認識は変わるのではないか。
 あと、そのインドの序盤の弱さを狙い撃ちした、文明特徴へんげ術のポルトガル即マム本気ラッシュによって勝ち星を重ねた。

 逆に強くなるのが遅い文明は、おまけ農民増量や木材で農民を生産する分だけ天然資源温存できて長期戦に強いインドの遅効性内政成立を許し、分の悪い戦いを強いられる。
 主な具体例がフランスvsインドでこれはインド側有利の対戦条件だと思う。この基本条件は変えづらいので、フランス側は何か特別なことをしないと有利を得る手段がない。
 フランス側は普段の姿を変え、速攻スタートの、12人進化で仕掛けを早めたり、即Vの方がいいと思う。フランスも長期戦強いけどインドには及ばない。インドの長期戦の強さを上で述べたこと以上に語ろうか。進化中の農民生産内政に、茶葉収入、複数ワンダー獲得、領事館兵の自動アップ、伐採テク2段階研究済みメリットで建てる自力伐採2ndTCなど。
 初期ラッシュ強くないフランスではそれは難しい即詰み狙うというより、仕掛けを早めてインドが強くない間に押さえ込んで天然資源取らせないようにし、そうしつつフランスクルール農民生産内政を伸ばし無量の天然資源を確保できればフランス側まだ戦えると思う。
 一般にはその発想や理解に達しづらいように思われ、私の言うことは信じてもらえず、いつものフランスしか見ることはないと思う。

 内政自体が有効なのではない。お互いに内政作り合う、相ブームの対戦型を目指しても有利を得られることはない。これは単に試合展開を遅延させる無駄な時間経過でこんなものに付き合いたくない。
 勝負手を見つけられないときに後を続けるために内政で国力増強を図っておくその手段でしかない。攻略とはその勝負手の発見に努めること。
 例えば、資源封鎖して天然資源を取らせないようにしたり、相手の脆いときに軍ピーク作って狙い撃つ。ハラスで偵察と打診を行い相手戦略読んでから駒組みを自在に変化させて戦略間相性有利を狙ったり、ラッシュ偽装で相手を誘導した戦況操作など。また、相ブームが有利に働く相性条件であればその内政型に組んでよくて、例えば上で述べたフランスvsインドで相ブームの戦型となるならインド側有利だから、なんで勝負してこないのと思いつつ、インド側はただ待っているだけでいい。
 そうやって自分で試合を作ることができない場合、内政で自効率求めて待っているだけになる。そのため、恐らく多くの戦略初級者の支持を受け、内政型流行は国民性にも合致して加速した。

 また本題から逸れたかもしれないが戻そう。フランスvsインドの類似条件のイギリスvsインドの方はどうなのか。一般の対戦実績においてインド側の圧倒的有利を示している。確かに、この対戦条件も上のようなインド内政を許してしまうので、その影響が表れているのだろう。
 だけど大分昔に評価したように、実は相性だけを考慮するならイギリス有利だと思う。インドの場合、文明スペックが抜けているので、相性問題を無碍にされてしまう事情がある。スペインだって実は相性的にはインドに対して有利なのに。
 まず、進化塔に対して初弾ハラス速攻があまり有効ではない。インド側はそれによって押さえ込んで時間稼ぎして遅効性内政を完成させたいのに。そしてその後の戦線膠着している間の相ブームの条件で、フランスよりも恐らくイギリスの方が内政伸ばしやすく、そしてLongbowによって軍事相性有利を得られる好条件がある。
 即効性の高いイギリス内政完成後、カウンターアタックを仕掛けるときには、相性条件的にその間はイギリス側が内政および軍備的優位を収めている。そしてその条件であればLongbowが無敵と化す。軍備が勝っていれば軽歩兵は何でも撃ち抜く。しかもその場合には最強のLongbowである(別の環境下では最弱?)。SowarがHP低めで当てる前に倒されやすく(でもSowarは足が速くてSteppeなんかと比べて強い)、軽歩兵アンチボーナスも×1.5と高くなく(重歩兵に対するマイナスボーナスもあるからこれってあまりメリットない。)それでは対抗しづらいように思う。
 その間に充分なアドバンテージを収めることができれば勝機がある。尚、インド側がV移行してUrumiMahoutカウンターを狙っている場合には、追加のHussarで対抗したい。昔これができなくて負けた記憶が強い。

 インドを例として挙げることが多くなってしまったので、そのインド特徴に対してまとめ的に述べておきたいが、例として扱うにはインドは特殊条件の文明なので少々適切ではなかったかもしれない。
 インドに対する基本的な攻略法とは早期勝負を臨むこと。文明条件的に採集効率に優れる狩猟比率低めとなるため序盤内政にやや不利があり、そしてカードがたまりづらいためそのカード序盤内政軍備ともども脆い時間帯となる。
 同じくタートル文明のポルトガルとは特徴が似ているのだけど、その主な相違点として狩猟比率と堅さがあり、ポルトガルの場合にはその恩恵があるから速攻文明に対して有利に働きやすい。
 狩猟比率に乏しくて資源集まりづらくそれで軍備調達が遅れ、たまりづらいカード軍援軍も足らずそのときには不要なおまけ農民、また複数TCほどの堅さを持たないインドは、序盤の弱さを抱え込んだままになる。だからその期間に最も強い速攻文明は天敵だ。
 ポルトガル>トルコの相性だけど、インド<トルコとなるのは、同じタートル文明属性なのに理解しづらい。そのように分類だけでは判断できない場合がある。

 ところで、そのような実例を延々と話すとなると、ネタが多すぎて文章長くなるのが嫌なので引き返そうと思う。それらは戦略間考察の方で個別に詳しく述べられる。
 ここではもっと簡素にその実例を述べたかった。立ち上がり遅れるドイツ中国はアステカイロコイのような速攻強い相手に押されたままになるとか、同じように内政文明もその遅め内政が完成する前に即潰しされたり封鎖体制が完了してしまう。
 ポルトガルは内政文明を苦手としていて、中盤までにその強力な内政とマップ取られて天然資源保有量の差で不利に陥る。そのようなこと。

 要は、その文明の強い時間帯や弱い時間帯との相性で決まりやすく、その有利を取れるときに主導権握って資源封鎖して天然資源取らせないようにすれば勝ちやすい。
 注意すべきは、それらは基本の文明条件の相性にすぎず、内政配分の調節によってその条件を変化させてその不利を覆そうとするのが人間による特別な攻略で、例えば上のインドに対する、普通にはしないフランスポルトガル速攻を用いるといった工夫で戦略の単純性を回避させることができる。

 繰り返すけど、戦型狙い撃ちの対応型プレイヤーは主に内政推移の相性を監視して機をうかがっているということ。


 ・戦略に関わる文明特徴の重要要素の分類 (FP1.1)

 各文明特徴を把握することで、そのメリットや脆弱性が見えてくる。自分でその文明を使う分には、そのメリットをより活かせるように手順を整えたり、脆弱性を補えるようにも配慮して堅さを保つ。対応する側は、それらを妨害できるように考えていく訳である。

 戦略に関わる以上の要素を分類し、特に不要な要素も排除して、合理的な一本道を目指す。そうした精神は、別にリアルタイム運営の必要からでなくても、推奨されるべきことだと思う。

 <内政の伸び方>
 内政文明であれば、ブースト性能の高い内政拡大手段を優先したい。後で内政が伸びるタイプの文明ならば、序盤は軍出しからスタートするのが基本。内政を伸ばすのに、あまり恵まれた手段を持たない文明は、その代わりに可能な強めラッシュを仕掛けて相手の内政拡大を妨害する。
 国力増強に関わるところの内政拡大の推移を知ることで、仕掛けのタイミングというものが理解できるようになる。そのような力を蓄える期間というものはアドバンテージ確保の手段でもあり、隙を見せる期間でもある。

 <軍備状況>
 文明特性から、軍備が整う時間帯というものが変わってくる。序盤軍備に優れる条件をもつ文明ならば、普通そこで勝負に臨みたいし、そうでなければ受ける側に回る。
 上の内政の伸び方の推移も考慮して、仕掛けるべきタイミングを理解することが、戦略的事柄となる。

 <ユニット特性>
 例を挙げようとすると、多数に存在するため取拾選択に困るから、あえて一例も挙げないことにするが、各文明が持つユニークユニットの特性を活かせるように配慮することで、戦略スペックを向上させることができるようになる。また、それが脆弱性ともなる場合があり、それを補う堅さを保つ配慮も必要となってくる。

 <強化上限>
 ここでは終盤戦勝負に関わる事柄で、最後まで戦線が膠着して資源が余るような状況になったら、人口リミット以上の戦闘能力を上げるには軍隊強化が必要となり、その上限が高いほどそれに優れることになるから、その手段を持つ文明は終盤戦に強いということになる。内政拡大上限も軽視できない。
 尚、1vs1対戦ではあまりこの機会がないため、詳細な説明は割愛したい。


 ・軍ユニットタイプによる勝負展開の行方について (RE1.02)

 一般的な軍編成は、槍弓とMuskteerHussarとある。前者は、弓で差し合い勝負に臨み、馬に襲われたら槍を見せて退かせるといった戦い方をする。この場合、戦闘に時間が掛かりやすい。それが戦略において影響することとは、その間に体制作りを許しやすいということである。つまりそれだけ速攻に向いていないということになる。逆に戦線維持に長けているので、自分の方が持久戦気味に戦いたい場合にこの編成にするといい。
 槍の攻城性能で侵食スピードを上げることができるにしても、それは戦線突破できたときの話で、お互い堅実な手順を踏んできたら戦線が膠着することになりやすいので、この場合には速攻に向いてるとは言えない。

 MusketeerHussarの場合、ほとんど突っ込ませるような戦い方とするので、それだけ勝負展開を早くすることができるようになるから、速攻するのに向いている。
 勝負展開が遅延すると、それだけ内政文明相手などにチャンスを許してしまう。そういう場合の適用を考えたい。


 ・2ラッシュと即Vラッシュに向いているマップ条件について (TAD1.03)

 TC間の距離が短ければ着弾急げるので、そういうマップでは初弾速攻の戦略を採用することでマップ適性を得られるものと考えたいが、その距離が長くても2Rするのに特に問題ない文明(戦略)もある。

 例えばロシアは進化中に農民派遣して自力で前線BlockHouse建てれば着弾を急げる。インド前アグラや、普通の前線兵舎を自力で建てにいく戦略も同様。この場合、農民派遣させる距離が長くなるので、その移動中に資源採集できなくなるデメリットが生じ、これはわずかな資源が貴重な開幕の時間帯においては軽視できない。
 また、それで建設が遅れれば、民兵打たれて建設妨害させられる可能性が高くなる。ロシアアステカはそれを狙われやすいので要注意。
 前線塔の視界が本陣近くにある場合、遠征農民のハラス受け対応がしやすくなると思うけど、TC間の距離が長いマップで最前線に塔を建てにいくとその視界が離れることになる。
 とはいえ、自力建設する場合の前線スタート2ラッシュなら、それを許容できる範囲だと思う。そういうマップサイズが広ければ、天然資源保有量を稼げるメリットも得られるので(マップによってその差があるけど)。

 本陣スタートの2Rする場合、例えば日本は基本前線スタートできないので、そのマップ条件に頼ることになる。スーの馬ハラスラッシュも、馬兵なら機動力あるからそれほど問題ないとしても、高速進化4AxeRiderハラスの最初弾がそれだけ遅れてしまうのは面白くない。この場合、資源箱進化で少し力を蓄える選択肢も考えていいと思う。
 イロコイ2Rも、2ndTravois前線WarHutの建設タイミングが遅れることになり、それで初弾速攻の着弾が遅れやすい。対応側はそのTravoisの前線派遣中を探索者近接などで遅らせるということもできるので、イロコイはTC間の距離が長いマップでは初弾速攻急げないものだと考えておきたい。自力建設のオーダーもあるけど効率にやや欠く。
 そういう文明では2Rだけすればいいということにはならず、マップ適性を求めた別の戦略を考案しその熟練を積み重ねていかなくてはならないから楽ではないけど、私はむしろやりがいがあってこちらの方を好む。

 基本本陣スタートとなる直行の即Vラッシュも、その距離が短く済めば、相手本陣への着弾急げてその速攻がより活きる。例えば、データないけど多分距離が短いOzarks(少し中央の丘を迂回せねばならない)では、本陣周辺の資源も乏しいから、早期カウンターラッシュとなる直行の即Vで主導権を奪い返す手段が有効だと思う。


 ・内政配分の調節が先行することについて (2011/TAD1.03)

 内政効率の一面性だけを考えられてしまうことが残念で仕方がない。対戦ゲームでは相手との関係性の方が重要で、内政効率よりもカウンターを間に合わせることをまず第一に考えるのでなければいけない。それで進軍差し込まれて体制維持不能になってしまえば、その内政では取り返しの付かないほどになり、敗勢に導かれる。

 初弾速攻強い相手に対しては、それに合わせて開幕内政を制限する。仕掛け遅れる相手に対しては、それまでの間、極限まで内政を稼ごうとする。そのように、まず内政配分を取り決める。
 そしてその配分ごとの内政の作り方があって、その何通りかの内政手順を考案していく。汎用型の単一手順を案出する作業はすぐに終わる。その仕事しか持っていない。また、その微々たる差の内政効率に頓着しても、上達効率に期待できない。

 対戦条件に合わせて内政配分を調節し、その諸条件に特化した内政を作ることで技術上限を稼ぐことができる。対戦ゲームでは、その相性的内政効率に目をやらないと、上を目指すには不足がある。


 ・軍事相性合わせの戦略で必要最小な事柄について (2011/TAD1.03)

 例えばCrossbowラッシュ仕掛けてみたら、その打診や探索者の偵察などでHussarや馬兵兵舎が見えたから、追加は槍生産に切り替えるといったようなことは当たり前に行われることなので、それを戦略的に取り扱うようなことはあまりしないし、それを狙い撃ちするには高度すぎる技術が要求されるので一般にはしない。
 しかし文明条件的脆弱性狙い撃ちの軍事相性合わせの戦略は積極的に行う。例えば中国は通常攻撃力の高い弓兵と重騎兵に弱いだとか、馬兵兵舎スタートは即詰み速攻ほぼ否定の形だから内政シフトを安全に行えるという対応。
 そのようなことをここでまとめて述べてみたい。本来は戦略間考察で個別に取り扱うことなのだけど、それらの一般的条件を理解した方が覚えやすいのだろう。

<馬兵兵舎スタートの弱点について>
 特殊な形を除き、Hussar生産では攻城性能弱くて即詰み速攻できない。よって対応側は内政作ることが許されるのを認めて内政シフトできる。

 Hussarハラスブーミングに対しては通常攻撃力の高い弓兵ラッシュが有効でMusketeerは有効でない。少ない軍備の馬兵でカウンターするには、通常攻撃力の高い弓兵に引き撃ちされると逆アンチ条件になってしまうし槍追加もある。Musketeerだと馬兵に大してアンチにならないのと、Hussar近接取られて民兵の追い撃ちで有力なカウンター軍事相性条件となってしまう。弓兵に対しては射程保たれると民兵カウンター当てづらい。

<陣地戦の弓槍・野戦のMusketeerHussar>
 MusketeerHussarで相手陣地に進軍差し込ませるには、射程短いMusketeerでは攻撃届かせづらいし、そのような入り組んだ地形ではHussarが迂回強いられやすいので攻めづらい。よってオープンスペースな野戦の方が活きる。
 弓兵は陣地戦得意で、引き込む相手に対してはその長い射程でその攻撃を届かせる。受ける場合には、その入り組んだ地形でHussar近接取られづらく延命させやすい。
 尚、重歩兵アンチ特化で通常攻撃力高くなく引き撃ち押し撃ち操作不向きのAennaのようなユニットではその攻めは少しやりづらい。

<文明ごとの軍事的脆弱性>
スペイン
 普通のスペイン即Vは軍カードが重歩兵重騎兵しか持っていない都合で、MusketeerかDoppelラッシュに対して軍事相性合わせられなくて押し潰されやすく、また、即Vしてからでも、Dragoon単に対してその対抗ユニットを揃えづらい。
(う〜ん、真の万能国家だからそれくらいしか弱点がないな。それだって特別な手順を用いれば問題解消できる。)

ドイツ
 おまけUhlanが必ず存在するので、対応側は初弾決め打ち重歩兵を打てる。
 Uhlanが農民殺傷ハラス特化タイプの攻撃力高くてHP低いから、軍負け形勢で通常攻撃力の高い弓兵に対してさらに逆アンチ条件となる。だから例えば馬兵兵舎スタートUhlanハラスブーミング戦略読んだら、対応側は前線槍弓2小屋ラッシュ仕掛ければその作戦勝ちの形勢を得る(但し即V押し潰しや内政シフトの技術も必要だしドイツカード兵の脅威も理解)。ドイツはカード軍搬送遅れるから、その間に進軍差し込ませハラスアドバンテージを得やすい。
 2ステイの対戦型で野戦でMusketeer用いやすい。ドイツCrossbowDoppelUhlanに対して、Crossbowは重歩兵アンチ特化タイプでなくMusketeerに逆アンチさせられやすいのと、Musketeerの引き撃ちがDoppelに対して有効な攻撃となる。尚、イロコイでは、重歩兵アンチ特化タイプのAennaはDoppelに強いように思えて、実は引き撃ち不向きの条件によって、Doppel近接取られると逆アンチとなり、だからドイツ戦はTomahawkを使う。
 ドイツはMusketeer持っていないから、例えばドイツミラーでDoppel出しやすい。
 2Falconetカードを持っていないので、即V2Falconetラッシュを相殺受けできない。パッチでスペインが強かった頃は、それらの条件によってドイツに対してかなり有利だった。

イギリス
 立ち上がり遅れる内政文明イギリスに対して、通常攻撃力が高く連射能力を備えるLongbowがたまる前に、強めのMusketeerラッシュで押し潰しを狙える。例えばトルコイロコイでその作戦を用いるときがある。
 イギリス進化塔Longbowタートルに対して、フランスCrossbowスパムが有効であるということが信じづらい。その進化塔TC防衛施設の下で戦えて、そしてちょっと壁を貼ってやって迂回させれば、その攻撃を長く浴びせることができる。そしてLongbowがたまるようになったら、撃ち合い戦でイギリスLongbow側に形勢が傾く。
 だから私はその進化塔Longbowタートルに対してはSemiFFの方を推奨したい。内政に貢献しない進化塔使うのと、槍弓生産は木材を使うため遅効性の内政となって、だから相ブームで形勢を見込めて、SemiFFの初弾ハラスの押さえ込みと内政作って、そしてそこからの早期軍事強化の即Vラッシュとすると、イギリス側はそれに対して内政でカウンターが間に合いづらいのと、軍事相性でもCrossbowとの撃ち合いなどではなくてCuirassier等を用いられて具合が悪い。

 MusketeerHussar用いられるとその内政でカウンターを間に合わされるにしても、イギリスに対しては内政型の直行の即VやSemiFFは無難に有効。イギリスは基本的に初弾強くできないので、SemiFF成立許されやすいから。
 イギリスは2ステイ最強文明。家内政の充実と、Longbowたまると撃ち合い戦最強を誇りそして何でも撃ち抜く(多少誇張)逆アンチ攻撃でもう近寄れない。だからそうなる前に2Rや即Vによる初期の押し潰しや資源封鎖、上のようなSemiFFラッシュの早期決戦狙いが基本戦略となるのだけど、ポルトガルなどでは時間稼ぎして、終盤戦強くないイギリス条件を誘導する作戦を用いるときもある。
 つまり出さなくてもLongbowの存在可能性が対応戦略に影響を与えるほど、Longbowはイギリスの偉大な伝統的ユニークユニットとして、代名詞的存在な訳である。

フランス
 弱点なし。

ポルトガル
 ポルトガル即Vカード軍はMamelukeを除いて重騎兵が存在しないのと、撃ち合い戦強くない重歩兵アンチ特化のCassadorなので、通常攻撃力の高い弓兵に対して相性負けする(例えばCrossbowに対してなら射程と機動差を活かせば一方的に撃ち込めるけれど追い詰められている形勢では脆い)。即VしてHussar生産するには、非ベテラン状態なので普通そうしない。序盤軍備に乏しいポルトガルで、その少ない重騎兵で弓兵にカウンターするには、上のどこかで述べている理由から有効でない。
 例えばイギリスの内政作って軍隊量産Longbowラッシュに対しては、開幕序盤の内政で不利を被り、ポルトガル即Vではそれをカード軍で有力なカウンター手段を持たず、カード2OrganではHP低くてあまり対抗できず、即マムするにもその間に進軍差し込まれてハラスアドバンテージ許してしまうし、追加の槍生産で対抗兵揃えられやすい。尚、Settler生産止め即マム本気カウンターラッシュの形にすると有力なイギリス対策になるのだけど、それは私の専売でしかない。

 ポルトガル即Vの序盤内政弱めなことから、その序盤軍備に乏しい間に、内政作ってからの軍隊量産Dragoon単ラッシュで張り付くと、ポルトガル側は内政止めたり建物タートルするのでない限りカウンター手段を失う。即VするとDragoonに対して有力な通常攻撃力が高く軽騎兵アンチボーナスを持つCrossbowを使えず(非ベテランだから基本使わない)、通常攻撃力高くない重歩兵アンチ特化のCassadorではDragoonに対してあまりアンチにならない。よって軍負け形勢ではDragoon単に逆アンチされてしまう。

 ポルトガル革命は重騎兵出ないので、対馬なしのSkirm単で返せる。出せればCulverin追加でガトリング砲対処。但し6Elmeti切ってからなどの革命には注意。

ロシア
 普通のロシア2Rは、槍兵持っていなくて、大して馬兵アンチにならないMusketeer軍備も揃えづらい条件から(カードMusketeer持っていないし強化もあまりできない)、Hussarタイプの重騎兵に相性負けしやすい。
 攻城性能乏しいので、対応側は強引な即Vカウンターを成立できる。即Vできると、ロシア内政やや遅効性のため、内政でカウンターを間に合わされることなく、その早期軍事強化の即Vラッシュで試合を決めやすい。

トルコ
 トルコに対してはHussarスタートが有効。JaniはHPが高くて射撃攻撃力が低めに設定されているユニットで、HP高いからそれで建物の攻撃の耐性を得て即詰み速攻を得意としているが、Hussarタイプの重騎兵に対してその弱い非アンチ射撃を撃ち込んでもあまり有効でないのと、Hussarは間接耐性でもある。また、Hussarをそのまま当て続ける戦闘というものはあまりせず、近接スローダウン取るのと射撃の盾となることが役目で、そしてCrossbowや民兵の追い撃ちでJaniを削る。
 Hussarハラスに対して、機動力とその射撃攻撃力に乏しいJaniではハラス受けの性能が低く、また、Settler狩られたら内政復旧が困難なトルコは致命傷となりかねない。
 Abusが弓兵やSkirmなどの軽歩兵に勝てるので(Longbow和弓はきびしいし射程20のオランダSkirmも厄介だが)、対応側はHussarタイプのユニット持たずして対抗できない。例えばそれを持たない中国インドはJaniAbusラッシュに対してカウンター困難な条件にある。軽歩兵アンチ特化のSteppeSowarがトルコ戦で無効となる。

 トルコは軽騎兵に対する有力な対抗兵が存在しなかったため、即VDragoonが有効であると信じられていた。しかしそれは安易な発想で迷信だった。間接耐性40%HP高すぎるMamelukeの追加攻撃、その非常に強力な盾によって、ベテランJaniの堅さも合わせてそれらの軍隊で押し込まれると、よほど操作が上手くないと即VSkirmDragoonではカウンター成立させづらかった。SemiFF内政で内政有利を取っていてさえ!(尚、兵器庫テク使う対策について別の場所で述べる)。しかも私によって開発されている(わざとらしく誇らしげに語る)SemiFF読んだら1000木手順で交易内政発展させてからの内政型即Vラッシュ高美濃銀冠戦法によってその有利さえも取らせてもらえない。
 トルコ対策はHussarハラスブーミング植民地民兵受けと即Vタートルによる対応の方がやりやすいと思う(細かな諸条件相性合わせは別の場所で述べる)。内政弱いトルコは、乱立されたTCタートルブームに対して詰め切れず息切れしてしまいポルトガルに対して不利を強いられていた。

オランダ
 昔の話になるけど、銀行内政直行即Vオランダは、カード2Falconetを持っていなかったことから相殺受けできず、即V2Falconetラッシュ強いスペイントルコに対して不利を強いられていた。現在は2Bank生産軍ハラススタートが主流のため、その対戦型の試合はあまり見ない。
 カードSkirmを持っていないので、馬兵兵舎スタートする場合に後でSkirm軍備を揃えるのに時間が掛かる。そのSkirm不在期を狙っての軍事相性合わせができる。
 射程長く重歩兵アンチ特化のSkirmがいるからMusketeer出しづらい。私がインド使うならオランダ戦ではSepoy使わずにGurkhaRajputにする。Rajputの機動力でSkirmから逃がしやすいし、PikeHussarに対して有力。近接取れればSkirm逆アンチもできる(インド序盤軍備では軍量的に難しいけど、Rodeが強かったパッチではスペインRodeラッシュで逆アンチラッシュが成立していた)。
 オランダに対しては通常攻撃力の高いCrossbow和弓Longbowを使いやすい。Skirmに対して射程負けはするものの撃ち合いなら有利を取れるし(Crossbow頑張って押し撃ち)、即Vオランダは急戦ではその対抗兵の重騎兵Falconetを揃えづらいので。カード4Hussarは数少ないし非ベテラン。カード傭兵は急戦ではカウンターが間に合いづらいし紙装甲Hackapell。教会テクStradiotは出しやすいか。
 Skirmが軽騎兵に対してあまりアンチにならないので、スーのBowRiderスタートを苦手としている。即Vや即Wが対策になるかもしれないけど、今は2Bankスタートが主流。

アステカ
 黒槍MaceCoyoteRunnerが強化TC射撃一発で倒せることは有名。その強いアステカ2R仕掛けても、植民地民兵カード切られて返されやすく、弱文明扱いされるようになったけど、文明自体は強い方なのではないか。
 通常攻撃力が高くない重歩兵アンチ特化のMaceと、アンチ半免除属性のCoyoteRunnerはその代わりに基礎能力が微妙にか落ちていると思うので、対応側はHussarで対抗しやすいのだけど、OPユニット黒槍がいるから一筋縄にはいかない。陣地戦では強化TCショット民兵がいるから黒槍こわくない。
 重歩兵アンチ特化のMaceがいるし、CoyoteRunnerがアンチ免除のユニットなので、Musketeer出しづらい。
 アステカは通常攻撃力の高い弓兵CrossbowLongbow和弓を苦手としている。Maceが重歩兵アンチ特化で通常攻撃力が高くなく撃ち合い戦で強くない。だけど足止めて撃ち合うとMaceの1.5間隔連射射撃があるから、Crossbow和弓は引き撃ちする。Maceは足が4.5で速いから、押し撃ち連射するとどうなのか。
 CoyoteRunnerが上で述べたように基礎能力落ちるから、通常攻撃力の高い弓兵の引き撃ちが痛い。
 即VしてもFalconetのような大砲持っていないから、その弓兵に対してCoyoteRunnerでカウンターせねばならない。

 アステカが内政型戦略不向きなのは、初期農民5人で狩猟テク2段階持っていないといったような、内政伸ばしづらいという理由ではなくて、カウンター不向きの文明条件にあるから。アステカは少ない軍備で戦線を維持するということが苦手で、例えば通常攻撃力の高い弓単本気ラッシュに対して、基礎能力の落ちる少ない軍備のCoyoteRunnerではカウンターできずに進軍差し込まれる形勢を許すことになる。そして陣地戦得意の長射程のそのハラス射撃で機能停止に導かれては、素直にラッシュ文明であることを認めた方がいいのではないかと思ってしまう。
 早期軍事強化の即Vでアステカ2Rを返せて、それで軍事力互角以上となると、Maceの射程が短くてCoyoteRunnerの基礎能力が落ちるから、Skirmで戦線争いで有利を取りやすく、また、アステカ側に即VされてもMaceの射程は短いままだしFalconetも持っていないから即VSkirmが有効。

 ただ、アステカには何か謎の力が働いていて、それを理論で推し量ることは賢明でないと思っている。まだ一般に未研究な部分が多いと思うので、理論に頼らず様子見していた方がいい。

イロコイ
 イロコイ2Rは、槍兵を持っていなくて、Aennaが重歩兵アンチに特化された通常攻撃力低くて引き撃ちも不向きなので、Hussarタイプの重騎兵で対抗しやすい。
 Wの時代行かないと大砲持たないので、Falconetラッシュに対して相殺受けできない脆弱性を持っている。昔イロコイとスペインが最強文明の座を争っていたときに、その同対決では、スペイン即V2Falconetを満足に受けられないその軍事形勢によって、スペインに勝てないとよく嘆かれていた。現在は戦略研究も進み、内政型からの対応手段や、Kanyaにアンチ砲兵ボーナスを持つようになったのでそれほど苦にしない。それでも大砲ラッシュはイロコイ対策の1つの手段にできる。
 イロコイは攻城性能に乏しいので建物タートルが有効。だけどHP高いユニットばかりでWarChiefのHPアップオーラもあるから建物の攻撃の耐性を持つのでそれほど有効でもない。攻城遅いから、その間にカウンターを間に合わせやすいという意味では有効。だけどForestハラスに進軍差し込まれると機能停止させられるし、建物タートル一辺倒的な体制ではカウンターは成立しない。イロコイ内政弱めだから、ポルトガルはそのタートルで時間稼げて内政追い越せればの試合となる。

スー
 即V押し潰されやすい。引き撃ち不向きのカード6Cetan、軍負け形勢ではカウンター成立させづらい2DogSoldierや3熊、通常の民兵持っていない、カウンター不向きのHP低いV進化4AxeRider、壁貼れない。高速V進化カードRifleRiderカウンターも、それに対する軍事相性を合わせれば押し潰せると思う。例えば鎖国忍びの者カード和弓混ぜたブレンラッシュで。

 通常攻撃力の高い弓兵を苦手とする。Cetanが重歩兵アンチ特化で通常攻撃力高くなく引き撃ち不向きなので撃ち合い戦に強くなく、AxeRiderが農民殺傷ハラス特化タイプでHP低いので、軍負け形勢ではその弓兵の引き撃ちで逆アンチさせられやすい。流行の内政型戦略は、開幕軍備に乏しいから、その例えばCrossbowラッシュによって先手取られるとカウンターが難しい形勢を強いられる。
 スーに対しては弓槍ラッシュにするのではなく、弓Musketeerラッシュにする。というのは、近接耐性のBowRiderに対して槍の攻撃があまり有効でなく、3熊が槍に対して有力なカウンター手段となるので(アンチ無視で突っ込めると言う意味で)、ならばMusketeerを使えば、そのBowRider3熊に対抗しやすくそして対馬の役割を果たす。
 OPユニットBowRiderに頼る対戦事情なので、それに対して有力な対抗兵のCrossbow勝負とするのが基本対応戦略となっている。Crossbowは通常攻撃力が高くて軽騎兵アンチボーナスを持っている。即V対決では、スーが即V最強文明の一角なのと、SkirmではあまりBowRiderに対してアンチにならないので、その勝負はあまりしない。

中国
 基本的に編成軍セット生産しかできないので、単編成に対して進軍差し込まれるようになると、後でその編成軍でカウンターするには軍事形勢困難な状態に陥る。
 2ステイの対戦型では、重歩兵アンチに特化された通常攻撃力が高くない中国弓が撃ち合い戦で強くなく、Steppeがスペック的に弱かったため、通常攻撃力の高い弓兵を苦にする。和弓Longbowが非常に脅威。即Vすれば馬馬で対抗しやすい。
 中国槍が攻城やや特化で対馬性能やや乏しく、即Vでは剣士が対馬特化タイプでなくて、また、特殊馬による相打ちでもやや分が悪く、Hussarタイプの重騎兵を苦にする。尚、軍の当たり方によっては中国鞭射程馬が非常に強い。
 重歩兵アンチ特化タイプの中国弓と火縄銃兵。それと軽騎兵3倍アンチカードがあるので、中国は重歩兵軽騎兵には強い。
 Falconetタイプの大砲を持っていないので、少ない軍備で弓Skirmを追い払うことができない。少ない軍備の馬兵でそうするには逆アンチになってしまう。尚、神火飛鴉兵中国大砲では兆弾というものがないので通常軍隊に対しては非力で遠隔攻城や対大砲は強い。
 Musketeer単ラッシュはカバーモード槍か剣士と中国弓火縄での対抗となり、重歩兵アンチに特化されたユニットとはいえ、抱き合わせのその槍剣士があまり役に立たないから、Falconetで重歩兵ふっとばせないのがきびしい。堅いJaniラッシュはうんざりする。
 2ステイでは槍Keshikで対馬特化できるけど即Vではそれができない。即Vでは、対馬特化タイプでない剣士、アンチ寄り特殊馬でのやや分の悪い相打ち、有限の領事館RedCoatDoppelカードManchuとなる。中国が即Vできれば強いので、その不満はあまり感じないと思うけど。
 HandMortarと鞭射程馬と神火飛鴉兵中国大砲があるから、最もFalconetを苦にしない文明ではないだろうか。

インド
 Gurkhaが重歩兵アンチに特化された通常攻撃力が高くなく撃ち合い戦で強くないのと、SowarのHPが低いので軍当てする前に弓兵の引き撃ちで倒されやすく、それで通常攻撃力の高い弓兵を苦にする。その軍事相性だけでなく、内政的にインドは序盤軍備に乏しいので、その軍負け形勢強いられて且つその弓兵を相手にせねばならないとなると、その不利は戦略的に重い。
 Falconetタイプの大砲持っていないから、その弓兵を少ない軍備で追い払えない。また、重歩兵対抗を大砲レスでGurkhaだけで行わなくてはならないから、重歩兵3倍アンチカードのRoyalGreenJacketは一応備えておいた方がよいのではないか。尚、序盤はUrumiで重歩兵対抗できる。
 アンチ特化の特殊重騎兵だから、それでは重歩兵を苦にする。Musketeerと結構戦えるHussarタイプの重騎兵の偉大さを知る。
 一般のAgra戦略ではZamb生産遅れるし、槍兵もいないし通常攻撃力の高い弓兵持っていずそれで逆アンチ射撃できないから、対応側はHussarスタートを適用させやすい。インド側はRajputを思い出してあげれば、その問題解消に期待できる。それと、Urumiカウンター対策で重騎兵を用意する必要がある。
 HeavyCannonを受けづらい。シージ象アンチ大砲では、HP高いけどその大砲に対して一撃ではあまりダメージを与えられなくて射程も他のアンチ大砲兵と比べて短めなので、対応側はそれを見つけたら退けば被害最小。HeavyCannonすごい強いので、それに特化対抗できるCulverinタイプのユニット持っていない文明は辛い。LightCannonもシージ象に射程勝ちさえできてインドに対して非常に有力。

日本
 日本に対してはMusketeerHussarを出しやすい。和弓が通常攻撃力の高い万能タイプで重歩兵アンチ特化でない。基本足軽主体なので対馬特化されない。足軽薙刀編成なら、薙刀が特殊馬でアンチ寄りのユニットだからHussarとの相打ちでやや分が悪い。
 足軽が足速くてCrossbowを逆アンチしやすいので、操作に自信がなければCrossbow勝負しないで即VSkirmする。和弓との撃ち合いでもCrossbow辛い(兵スペック及び鎖国金閣寺強化カード入ると。それと日本とそのような膠着した戦いしてたら内政と軍事性能で形勢が傾いていってしまう)。それでもCrossbow勝負しようとするプレイヤーには味があるはず。陣地戦苦手のMusketeerHussar勝負したくないし。
 基本2ステイの日本に対して、即V2Falconetラッシュが有効。その有力な対抗兵を持たないのと、早期軍事強化の即Vラッシュで日本の序盤弱い内に仕留められる。
 火矢がHeavyCannonと同射程なので、それに対する特化対抗ができない。でもHeavyCannon揃える頃には、時間帯的に日本が強くなってしまっているため、それよりも日本対策の基本は、序盤弱い内に早期決戦仕掛けること。


 ・オーダーを種別的に考える (2011/09/03)

 オーダーの優劣を比べたいのなら同種のものを取り扱わなくてはならない。例えばフランス即狩猟テク14人進化が騒がれたけど、厳密には13人進化と同種のものではないのでそれとの優劣判断はできない。後者は立ち上がりに優れるメリットがあって初弾速攻が目的の場合に用いたいし、前者は後手スタート内政型戦略で有力なものとなる。尚、13人進化で4クルールのカード搬送を早めることが内政的に有利であると検証したブログを昔に見たことがあって、私はそれに倣っていた。そして手順組む難易度が低く、きれいな分岐の形を作りやすいので13人進化派。内政も速攻も対応にも優れるものでこれ1つで多くの場合に足りる気がするけど専門家に判断を委ねる。結局のところ適用の問題。
 アステカで神官10にするのが流行しているけど、その神官ブームしないのと比べてオーダーが優れているからという理由でそうしているのなら、問題の食い違いが生じている。だってそれは戦略の目的や内政配分が別種のものであるから。仕掛け早めたい目的があるのなら神官10にする暇なんてない。それは力を蓄えてから勝負する目的のオーダーである。

 以下に述べる例は手順改良に成功したものとして考えていい。それはスペイン金微増17人進化自力即Vとロシア17人進化で即狩猟テクを組み込むもの。V押しやピークに間に合う形で組み込めていると思う(ロシア17人進化の方はシビアか)。でも初期資源箱や財宝に恵まれないときには無理しなくていいと思う。
 それは内政配分指定が同一の同種のオーダーだった。この判断ができてこそ手順改良技師の資格を得るのであって、少なくない人が別種のオーダーを掲げて手順改良できたものだと信じてしまっている気がする。
 カウンター間に合うのならトルコ進化400木即Vやイギリスヴァージニア家内政は手順改良に成功したものと言える。もしそうでないのなら、それは単に内政寄りの別種のオーダーということになる。

 研究を容易にする手段とできるからオーダーそれ単体を取り扱うのだけど、本来は、対戦ゲームにおいては相手との相性の方が大事のはずで、戦略の目的、つまりオーダーの適用を第一に考えて、その指定された内政配分の範囲で内政効率を求める。それは狭い範囲でそれほど技術性が存在せず(基本的な内政効率についての知識は重要で習得済みでありたい)、それよりも内政配分の区分の技術が重要で、それにより速攻・バランス・内政型の目的の形を定める。そして相手戦略読んでそれらを適用させる。

 各々が身分をわきまえてその種別の範囲を踏み越えることなくすれば、それはうまく統べられていると言え、機能が失われることはない。どれか強要素があるかということはゲームバランスに依拠することで(個別条件)、そういうものがあるならそれを優先するけど、しかしゲーム攻略の根本は統治にあるのではないだろうか。


 ・日本インドの内政的特異性について (2011/10/19)

 例えば基本速攻文明のスペインがカードで自在に文明特徴へんげの術が可能なのに対して、日本インドの場合には、そういう内政配分を調節してさえ序盤が弱いという性質は変わらない。
 それは、序盤弱くなる原因となる、採集効率に劣るイチゴを食べなくてはならないことと(その他割愛)、木材で農民生産せねばならないのとカードがたまりづらい条件を免れることが(ほとんど)できないため。
 速攻型と内政型の戦術を持てるという意味での序盤の強さは持つことはできる。しかし基礎条件の序盤の弱さは不変。

 そして他文明では考えづらい、ただの時間経過がアドバンテージになるという特徴を持っている。種類によっては領事館やワンダーの効果が時間経過とともに向上する。例えば鎖国なら軍隊揃うほどにその鎖国軍強化効果が高まる。つまり普通には時間経過によって軍隊総生産量が増えるからそのようになる。金閣寺も同様。内政ワンダーの東照宮も杜を乱立できるほどに効果を得る。ただ、東照宮の杜内政に与える効果は低めのようだし、早期決戦になった場合には杜を建てる必要性を奪われるから、この場合には時間経過があまりアドバンテージにならない。ポルトガル領事館も早期仕掛けされて杜内政させてもらえなくなると、そのメリットを活用できなくなる。
 それと兵スペックに優れる日本の軍隊がたまるほどに強くなるから(多分)、対応側はそこまで軍隊生産機会を与えたくない。Longbowためさせないよ的な。
 インドの場合にはおまけ農民がたまるほどに内政が充実する。そして木材で農民を生産する分だけ天然資源温存となって長く戦える。イギリス領事館使うなら軍隊生産量が増えるほどに効果が高まる。
 それと不明なのだけど、恐らくは自動茶葉交易資源収入が時間経過とともに他文明に対する優越な条件になっているのだと思う。

 繰り返すが、ただの時間経過がアドバンテージになる。この特異なアジア文明条件に気づいている者は果たしてどれくらい存在したか。そしてそれらの条件を利用した対文明攻略まで確立されているか。それが一般認識されているかの事情は知らないけど、日本インドに対するそういう感覚は感じているのだと思う。もう何年も対戦しているし使い手も多い。
 例として、最近取り組んでいるフランスによるその対文明攻略の12人早め進化の活用が見出された。こちらが内政を作っても相手も内政を作るのなら差を付けることにはならない。そんな無駄な時間経過の相ブームの戦型はそれだけで日本インド有利となる。だからいつものようにフランスが即狩猟テク14人進化400木で内政を作ることが意味ないどころか不利に陥っていることに気づきたい。国力勝負で日本インドに勝てる文明は限られる。フランスはやや及ばない印象。ポルトガルでも相性的に日本きつい。
 12人進化で仕掛け早めて(別に即詰み速攻ではなく)勝負展開を早めるということで、そのアジア文明の時間経過アドバンテージを防ごうとする試み。そして上に述べた序盤は弱いという基礎条件を変えられないので、その間に勝負を仕掛けるのが有効だが、進化早いほどその手段になる。
 高速初弾ハラス入れて相手の内政制限すれば相対的に内政不利にならない。だから自効率求める内政なんてあまり意味のないことで(内政効率の基礎知識は重要で習得済みでありたい)、戦略の目的に基づけた内政配分の調節というものが本来の内政の在り方と考える。

 あの狂気の高速のスペイン即V本気ラッシュpiroshikiさんが日本インドに勝っているのは、以上から理に適っていた訳である。

 しかし西洋と比べて特徴がかけ離れていると思う。だから西洋専門的な人には理解困難だし、逆にアジアな人も標準的な物差しを備えていないので真の理解に達しているのか疑わしい。一般に謎文明となるなら今の内にアジア文明勝負は有効か。事実は弱点を免れないから将来的に弱くなってくれると思うけど。


 ・後手内政型に対する攻略法まとめ (2012/02/05)

 恐らく根強く長くその内政型戦略流行は続くだろうと予想できるので、それに対する特化対応戦略を学ぶことは、対戦機会が多いから攻略効率に優れるものとなる。メタ戦略が一番強いと認める者はこの道を進む。

 後手内政型崩し4つの方法
  1.本気ラッシュで即潰し
  2.資源封鎖戦術
  3.内政型の直行の即V
  4.博打内政カウンター

 1.本気ラッシュで即潰し
  基本に忠実にディフェンスや対応に問題がなければ、そんな原始戦法は通用しない。だけど対戦事情や人読みに基づけるのなら有効活用できる。
  内政型流行の影響のためか、内政効率しか見えなくなっているプレイヤーが少なくないようなので、その配慮の足りない結果的博打内政を咎める勝負手段にできる。

 2.資源封鎖戦術
  籠城戦術に対しては兵糧攻め。天然資源がなければ内政伸ばすのに限界がある。対応側は2Rスタートでまずは先手を取って押さえ込みつつ、追って内政作っておけば後手側の内政によるカウンター手段に対抗でき、そのまま前線維持が可能となる。後は天然資源保有量の差でもって有利を得る。

 3.内政型の直行の即V
  後手内政型は初弾の仕掛けが遅れるので、その間に内政型の直行の即Vに組める。これなら内政負けあまりせず、そしてその早期軍事強化の即Vカウンターラッシュ勝負で、後手側の内政によるカウンター手段を間に合わせない。

 4.博打内政カウンター
  後手内政型一点読みで、その初弾の重圧が遅れてくれる間に超ブームに組んで内政有利を狙う。後手内政型は、進化ボタン押し前の内政施設建設の偵察と、遅め進化時間の確認で容易に読めるので、それに対しての狙い撃ちならば博打とは言い切れない。

 後手内政型は戦略読まれやすく、一度その形を作ってしまったら戦略シフトしづらいので、対策されたら沈黙するしかない。だけど安定して簡単で強いので、その人気は衰えないと思う。
 一番を目指すプレイヤーならば、その手段では足りないので、新しいことを始めて一時的に勝てなくなる苦行を乗り越えようとし、さらなる高みしか見ていない。


 ・本陣スタートのラッシュについて (2012/11/11)

 一般に、ラッシュと言えば前線スタートのラッシュしか想像できないと思う。だけどその表題の有用性を発見し実用してきたことを記述したい。

 物語のようなものを挿入するのは本題に遠回りかもしれないが、今までに文章書きまくって慣れてきて、遊びの要素も取り入れないと物足りなくなっているので許容されたい。
 その発想を得て実用化を目指したのは2つの理由からだったと思う。まず始めに、1〜2年前にTakumanさんのニコ生でロシアラッシュを10人進化ポルトガルラッシュでその前線を突破して優位を獲得できた試合を見て、これは大胆な切り口だと感心した。
 多くの場合に、後手スタートならば内政や即Vをカウンター手段にする。本陣スタートのラッシュでは着弾遅れるし、前線ラッシュしてくる場合の相手に対抗できるそういう武器がないのならそのまま膠着して後は国力不足および資源が尽きて終わってしまう。
 それなのにその本陣スタートラッシュが有用になる場合というものを大体想像できてた。丁度この頃にそれを課題にしようと思っていたときに稀な戦型のその試合を見てイメージが湧いたのとやる気にさせたのだ。

 それと、対応型のプレイヤーならば、今の内政型主流の対戦事情においてはラッシュを主力にせねばならないことを感じていた。そして今ではラッシュするのに大分慣れてきた。なにせその2年ぐらい前からずっとなのだから。
 本来はカウンターやタートルのプレイヤーだった私だからこその発想だと思うのだけど、本陣スタートにして保険をかけるというアイデアを盛り込むのだった。また、前線スタート先手側の内政シフト直撃のアンチ戦術として活用できる。詳しくは後で述べたい。
 戦闘スタイルを変えねばならなくなったこの機会に、技術屋のラッシュというものを確立し、そしてそれが最強戦術であったことの確信を深めた物語も述べていきたい。

 昔はラッシュプレイヤーが多かったので、それに対しては私の得意戦術だったカウンタースタートを行いやすかった。今そうしても、相ブームの待ち合う戦い方は無駄な時間経過にすぎないし、後に語るデメリットも生じる。
 格闘ゲームに例えると分かりやすいと思うが、立ち合いは小パンや肘や下パンのような小技を当てて硬化差や間合いなどを固定し状況限定すると、そこからの有効な選択肢が限られることになる。ヒット後の攻防と言われていたものだったかな。すれば計算がしやすく、確実な試合運びができるようになる。
 AoE3も、初弾を着弾させて内政拡充を牽制し、その与えた行動制限内の読み合い勝負に限定させる。その範囲内ではすでに計算済みで、何に対してどうすれば有利を取れるかを知っている。後は実戦でそれを合わせられるように訓練する。
 そのような左ジャブを基点とした堅い戦い方は、多くの対戦競技で王道のものになると思う。想定外を許さず、確実に相手をこちらのいいように誘導する。
 相手を放置するなら駒組みや体制の選択肢が無限に拡がり、その無数条件に対する作戦など持ち合わせてはいない。つまりそこには技術を存在させることができず、ただ飽和するまで内政作って軍をためて最後には適当に大軍当て合う試合なんて実力とは縁遠いものになってしまう。

 さて、本題の印象が薄れない内に話を戻そう。まず最初に、本陣スタートラッシュは、進化塔即Vのカウンター回避の保険として活用できる。2ラッシュは即Vにカウンターされてしまうので、それで前に建てた2つ分の兵舎を放擲するのは損害が小さくなく、そのまま負けやすい。
 それを恐れて、もうラッシュなんてしたくないでは済まされない。今ではやや内政有利の進化400木即Vというものが流行し、それを2ラッシュで咎めなくてはならなくなった。放置すれば、それは万能に強力に戦える駒組みとなるので面白くない。TC間の距離が長くなければ、その本陣スタートでも進化400木即Vや内政型即Vをほとんど押し潰せるようだった。同様にSemiFFも潰せるが、2受けなのかの読み合い勝負が生じる。
 進化塔を後で確認できたら、例えばフランスなら具体的には700木の次のカード軍キャンセル4クルールの内政シフトとすれば形勢を取り繕える。

 続いては、本陣アグラのラッシュスタートを開発してみた。簡単に述べると、インドは開幕序盤内政弱いので、初手は軍押しするしかない。だからほとんど前アグラ一択とするべきなのだけど、インドは序盤弱いのでそれを維持できない。本陣アグラでTC防衛下にあればその維持は可能となるけど初弾の着弾は遅れる。
 TC間の距離が長くなければその着弾は大して遅れないので、そういうマップで効果的に用いるとよいのではないか。また、インドの国力増強は遅効性となるため、そのカウンターを間に合わせるのに、相手の駒組み妨害と、初弾ハラスの時間稼ぎをせねばならない。それがインドの基本戦術。一部のプレイヤーがセオリー無視して独創や好みやプレイヤータイプに合致させる戦い方なら否定しないけど、みんなしてインド内政型とかやられると発狂しそうになる。

 文章長くなるから最後にしておきたい、先手内政型に対するアンチ戦術としての本陣スタートラッシュを述べよう。私は先走ってすでに三すくみを完成させておいた。でも実際の対戦事情においては内政型支持者がまだ多く、メタ戦略が循環してくれなくて困っている。もう読み合い勝負なんてするつもりはないのだろうか。
 流行の後手内政型に対しては、先手取ってハラス入れつつ内政作って資源封鎖すれば有利を得られる。受け側は馬ハラスが有力な対抗武器となるが、これの対策強化も施せた。初弾の速度を早めて且つガンガンに攻めてあげればそれを投与する余裕を失う。内政シフトするときには、進化急げば狩猟テク2段階と農民カード搬送早まる内政とも両立している。
 後手内政型になりすまし、その先手側の内政シフトの直撃を狙った、本陣スタートの初弾カウンター速攻で前線突破を果たしそれで優位を得る方法の試用は大分前から進めている。
 少し問題を感じていて、それで前線突破した後の内政復旧のタイミングが難しく、それが早ければ軍備不足で前線突破できないし、遅ければ内政負けして最後の勝負までの国力保持に失敗したということになる。
 後手内政型<先手内政型(換言すると2Rスタートからの内政シフトおよび資源封鎖戦術)<その先手内政型の内政シフト直撃狙いの初弾カウンター速攻<後手内政型、以上の三すくみとなる。


=== 実践感想 ポルトガル玉頭位取り槍弓本気ラッシュスタートから海で内政復旧vsトルコ内政厚め即V 参考リプレイ
 インドポルトガルのような内政推移がタートル文明に属するものは、開幕は強いが序盤は弱いので前線を維持することができない。だからポルトガルなんかは前線ラッシュというものは滅多にできず、けれど初弾速攻の押さえ込みで時間稼ぎをしている間に、タートル文明の遅効性内政の充実を図るということをせねばならない。
 その問題を改善させたのが、本陣を盛り上げるように陣地構築し、それで兵舎を2ndTC防衛下に置けて、そしてなるべく前の方に建てられるようになったことで進軍スピードを稼げた。
 さて、海に出るのはラッシュしてからでも遅くはない。ポルトガルに対しては内政が有効という、まあ間違ってはいないけど、その認識を改めさせるような本気ラッシュスタートで試合を決めることもできる。

=== 実践感想 ドイツ10人進化本陣スタート槍生産2Rvs中国即V 参考リプレイ
 オーダー解説しないと何をやってるのか分かりづらいと思うけど、これはドイツが速度を稼げるようになったバランス型の2Rの形を作っている。おまけUhlanもらえないTの時代カードなんか使わず、代わりに進化早めて効果の高い狩猟テク2段階や3馬車カードとおまけUhlan搬送を急げるメリットを得る。
 兵舎後ろめのスタートにしても、Musketeerいない中国は槍馬ドッペルを捌きづらく、中国即V押し潰しやすかった。

=== 実践感想 フランス12人進化Hussar本気ラッシュvsアステカ内政即V 参考リプレイ
 あまりよく覚えていない試合なのだけど、多分即V読んで本気ラッシュにシフトしたんだと思う。それでHussar張り付かせて押し潰してしまった。

=== 実践感想 日本金閣鎖国和弓射撃超火力vsスペイン内政即V 参考リプレイ
 日本は前線維持しづらいから本陣スタートとなる。ここではブレンと呼ばれる速攻スタートではなく、やや力をためての本来は受けの形のものだけど、即Vなどを読んだら弓単でも相手陣地に向かわせ、その即V道中を荒らしまくって、後のカウンター準備のための時間を稼ぐ。

=== 実践感想 インド交易本陣アグラ本気カウンター速攻vsアステカ2R 参考リプレイ
 前を取りつつ内政作る相手を咎める初弾カウンター速攻戦略。しかしここでは読みが外れて、相手の内政シフト直撃とはならなかった。また、こちらが果敢に仕掛けの頻度や速度を急いだからか、むしろ警戒されてしまった。ここはその読み外しを狙った遅らせのラッシュとかできればいいのか。
 農民生産止めて、さすがにこれは劣勢を免れないかなと思うも、こちらのその仕掛けで相手の内政移行を遅らせた分と、インドの遅効性内政が育って形勢を取り繕えた。

 Photon_の奴、CivLamerとかほざいて、インド使いまくってるのはお前の方だろう、いつも負け惜しみばっかいいやがって、でももしかして本当は俺のこと好きなんじゃないか。

=== 実践感想 ポルトガルHussar本気ラッシュvsアステカ内政型2R 参考リプレイ
     ポルトガル弓槍本気ラッシュからの海内政vsインド前アグラ内政即V狙い 参考リプレイ
     ポルトガルHussar本気ラッシュvsトルコ交易内政2R 参考リプレイ
 以上は、前を取りつつ内政作る相手を本陣スタートラッシュ言い換えて初弾カウンター速攻で咎めることができた試合。



<文明ごとの基礎知識>

#スペイン #ドイツ #イギリス #フランス #ポルトガル #トルコ #アステカ #イロコイ #インド #日本

 ・スペイン (RE1.02)

 カードがたまりやすい経験値ボーナスが最大の文明特徴で、即Vするとカード価値が上がるから、その高次カードを多く使っていける効率で勝負する、即Vからの軍カード連打の速攻ラッシュがメインストリームとなった。
 しかし、その戦略が強すぎると判断されてしまったため、それを弱体化させるためのバランス修正が施され、それが大きなものだったために、今スペインプレイヤーを見ることは稀になってしまった。

 スペインは進化400木の選択肢がないことや、攻城もできない対馬に特化されたカードRodeとなってしまうので、普通の2R速攻やSemiFFの形を作りづらい。その理由からしても、スペインは直行の即V戦略しかほとんど見ることがない。

 そのように、2R速攻やSemiFFをほとんどできないと考えてよいならば、それは戦略的に不器用であり、対応側はそうやって相手戦略を限定できると、それだけ対応容易となる。
 具体的には、ほとんど直行の即Vしか見ないのであれば、それに対してはSemiFFで初弾ハラスと内政を稼いでおくアドバンテージを狙えて、そして即V軍事力によるカウンターも可能となり、これで作戦勝ちの形勢を得られる。
 SemiFFの通常は2R速攻受からない型だが、スペイン側がそのような2R速攻も普通にはできないからこそ安心してSemiFFに組める。SemiFF自体が駒組みアドバンテージとして優秀で、スペインはそれに対する対応戦略を持っていないのならば、当時の文明スペックに頼らなければならなかったのであり、技巧を持たず若さだけで通用してきた時代は通り過ぎてしまった。

 そしてこれからもほとんど、戦略的技巧で再建されたスペインというものを見ないと思う。もともとの条件がスペインに器用さを持たせづらかったので、すでに述べた2R速攻とSemiFFが普通にはできないという、基本戦略の選択肢を奪われてしまっては、力技の文明と呼ばれてしまっても仕方ないのかもしれない。

 そんな中で、スペインに技巧を持たせる工夫に私は挑戦している。スペイン戦略を普通の形に仕上げるのは骨の折れる作業で、その独特な条件から、スペインを取扱っていると通常感覚が失わされてしまう。
 そのため、戦略の基本を学んでからでないと進んではならない道であり、しかし、未知の可能性に恋焦がれてしまっているのなら仕方がない、別に誰も止めはしない。
 スペイン戦略の新基軸として期待されているものは、原住民ラッシュ、即V持久戦型、開幕カード内政、革命といったものが考えられているが、それらを不備なく、堅さと効率に不満のない普通の形に仕上げられ、そうして確立された一般的な戦略として認められる日は来るのだろうか。


=== 真の万能国家誕生
 フランスは別に万能国家ではなかった。確かにバランスに優れる形で基本の戦略を一通りできる。しかしそれらをブーストされた形で行うことができなかった。
 それでは単に戦線維持に優れているだけであり、相手の脆い時間帯などにブースト戦略を適用する作戦勝ちというものが狙えない。
 そういう形が崩れづらい条件は、軍操作や試合運びに長けたプレイヤーにとって有力な文明だったけれど、実は作戦勝ち狙いの対応型のプレイヤーにとってはあまり魅力のない文明だった。

 確かに基本の戦略を一通り持つことで、隙のない形を作れるから、その条件も対応型に必要。そして相手との相性を合わせるときに、それをブーストされた形にできないのであれば、その脆弱性を狙えても効果半減となってしまう。
 研究が進み何でもできるようになったスペインの魅力は、そのようなフランス特性に加えて、ブースト戦略を数多く持つことで、有利な対戦条件を作り上げる作戦勝ち狙いの高い技術上限を備えていた。

 速攻文明が故の速攻戦略のブースト性能。直行の即Vや革命は決め手を持たせるラッシュにできる。
 開幕からの内政カード連打によって内政に偏らせることのできる、序盤ブースト内政が可能。海に出れば、それとの複合で大ブームもできる。
 序盤はカードがたまりやすいゲーム仕様と、経験値ボーナスの文明メリットを持つスペインは、元々序盤ブースト性能を備えていたのに、それに加えて交易所ブームを活用すると、さらなるブーストが成立する。

 以上のブースト戦略で相手の脆弱性を狙い打ちできたらどうなるか。偏らせて強くした形を、相手の脆いときに突き刺してやれば、身体能力で劣る者でも勝てる気がしないだろうか。
 いつもそのような作戦勝ちを狙える訳でもないので、フランス流に隙のない形を作って、単に形勢不利を許さない姿勢も対応型のプレイヤーに課せられた仕事である。

=== 駒組み成立後には仕掛けねばならないこと (TAD1.03)
 スペインは経験値ブーストで序盤に内政作れるけど、その後に文明依存で内政を伸ばしていくことができない。そのため、カード内政作った後には勝負の形とするのが通常の振る舞い方。
 ロシアTCや、フランスクルール農民、ポルトガル複数TCのような文明依存で継続して内政を伸ばせる文明は待ちの戦略が有効だけど、それと比べてスペインは持久戦で分が悪いということが理解されていなくてはならない。
 内政型のスペイン戦略は主流ではないけど、序盤内政作る戦略は有効でその道進むことを許されているが、上のようにその限りがある。後から伸びる内政を普通には作れないということ。
 スクーナー海内政を活用する場合には内政文明感覚でいい。それと、序盤カード内政でTC即増設とする場合にはポルトガル模様とすることができる。

=== スペインの戦略スペック評価
 対戦条件における相性をほとんど考慮に入れず、それ自体としての戦略スペックがどれくらいかの主観的評価を試みる。もちろんその戦略が、ラッシュが受かる形にできないものは認められない。
 強い戦略を採用することが適切とは限らない。対戦条件においては、スペックに乏しい戦略を適用させた方が有効な場合もある。そういう事情がなければ、もちろんスペック優秀な戦略を適用させることで勝利に導くから、それを把握することは当然すべき仕事である。
 また、プレイヤーの運営熟練度というものがある。例えば、ラッシュをするのが苦手ならば、スペック充分なそのラッシュ戦略を採用しても、それを活かせないということにもなりかねない。
 以上の要件を踏まえて、どの戦略を採用していくか決めていくことになる。

カード資源箱2R   2
ATP原住民2R   4
開幕カード内政CR   3.5
海内政   4
即Vラッシュ   3
ATP即Vラッシュ   4
SemiFF   3
ATPSemiFF   4
開幕カード内政即V   3.5
革命   4.5
(5点満点の評価式)

 ・カード資源箱2R 2点
 速攻文明なのに進化やや遅めなので、高速ハラス初弾の1手が打てない事情が、評価を大きく下げている。2Rは初速を急いで内政拡大と体制作りを妨害できるのでなければあまり活きない。
 強い軍ユニットもいないし、資源箱回収型の軍備で援軍スピードがやや遅れるのも、速攻目指す目的としてはマイナス評価とせねばならない。しかし、それで軍隊生産経験値を稼げるようになるので、スペインならそれで序盤カード連打できるようになるのは評価を上げる要素。
 普通の手順としては、効率にやや不満の300木を組み込まなくてはならない事情も、評価を下げている。

 ・ATP原住民2R 4点
 開発中の戦略だが、これによって2R弱かった脆弱性を補えるものとして期待している。
 戦略コンセプトは、ラッシュを仕掛けつつTPブームをすることで、2R速攻と内政拡大が同時にできてしまうという、ゲームバランス崩壊を誘導すること。
 対応側は、2R速攻に対しては、少し内政を作ってのカウンターラッシュで対応することで、マップを取られている不利を補っている。それなのにここでは、スペイン原住民2R側も同時に内政を作っていることで、内政的に互角となり、対応側はそれではカウンター手段を持てなくなる。原住民ラッシュは人口スロット不要でラッシュを仕掛けられるのでスタートに強く、これに対しては即Vカウンターも成立させづらい。
 カードがたまりやすい序盤のTPブームは、そういう序盤ブーストでラッシュの性能を劣らせることなく、その内政拡大も果たす。尚、中盤以降は交易所収入を資源収入に切り替えて、充分な持久戦体制を後に得る。

 ・開幕カード内政CR 3.5点
 スペインの序盤カードブースト性能で、開幕にそれを内政カードに使うことで内政に転換し、そうしてからの軍隊量産ラッシュで勝負する形。
 Crossbowが強ければ評価をもっと上げることができたのが残念でならない。

 ・海内政 4点
 開発中の戦略だが、スクーナー海内政と開幕カード内政を複合させた大ブーム戦略をスペインでも持てるようになった。マップ依存の内政拡大手段はスペック優秀だと思うので、それを組み込みやすいスペイン(Tの時代のカードをもう1枚使えるので、ATPやスクーナーカードをそれで組み込みやすい)は、文明依存ではないそのような他の力を借りて強くすることができる。
 この手段以外にはスペインでは大ブームほとんど不可能。速攻文明がバランス文明を通り越して、わざわざそのような内政文明への転向をする意義とは何なのか。

 2R速攻に決め手を持たせることができなかったり、ブースト内政不向きの文明に対しては、大ブーム手順にしても2R受かるし、それで戦線が膠着すれば持久戦(内政)勝負で優位に立てる。
 例えばインドなんかがそのタイプの文明で、前アグラ速攻で初弾ハラスは強くできるが、カードがたまりづらいため、カード軍援軍が最初の2枚だけしか速攻で使えなく後が続かない。そしておまけ農民で後から充分に内政を伸ばせるのだけれども、ブーストされた形でそうできる訳ではない。
 その理由から、内政文明のイギリスや日本が強文明インドと戦えてきたが、スペインでもそうすることによって対応の幅を拡げ技巧派の道を辿っていく。

 ・即Vラッシュ 3点
 序盤カードブースト性能をより活かすことのできる、スペインの王道戦略。
 弱体化されたRodeは使わなければ済むことなので問題ないが、5Lancerを4Lancerに減らされたことが最もスペック低下に導いたと思う。即Vカウンターでそれを使わざるを得ないときに、それでカウンターにならなかった憂き目を何度か味わった。経験値ボーナス27%から25%にされたのも、結構影響していると思う。V入りした軍犬が強くなったので、まだまだ戦える。

 ・ATP即Vラッシュ 4点
 ATPカードを組み込みやすいスペイン事情と、スペインの序盤カードブースト性能をより活かすことにつながる、その経験値ブームで、それはスペインの戦略スペックを向上させるところのものだった。
 ATPカードは大昔にバランス修正でスペック低下させられてしまったし、また、この戦略は進化やや遅めとなり、それだけ仕掛けやカウンタータイミングが遅くなるデメリットを持つ。

 ・SemiFF 3点
 内政作りつつハラスを入れてV入りまでも成立させる戦略。
 同じく即Vで勝負できる形であり、スペインの序盤カードブーストでそれをより強くすることができる。300木を組み込まないとその形を作りづらく、それでやや効率に欠くことから、特別に強い形にはできない。
 SemiFFでは仕掛けがそれだけやや遅れるので、持久戦勝負に向いている文明には適用しづらいときもある。スペインは基本速攻文明であるから、普通は直行の即Vを軸とする。
 尚、スペインがこの戦略を持つことで対応の形を作りやすくなり、それでスペインの評価を上げることができた。私の中では重要な戦略。

 ・ATPSemiFF 4点
 同じくATPブームを組み込むことで、その戦略スペックを向上させることができた。

 ・開幕カード内政即V 3.5点
 内政効率を向上させた即Vの形を作ることに成功したが、SemiFFのようにハラスを入れることができない不器用さや、カウンタータイミングが遅れて差し込まれやすい欠点がある。

 ・革命 4.5点
 スペインの序盤カードブースト性能をWのカードで使えることに加えて、革命発動後には内政をほとんど捨てた本気ラッシュの形となるから、その破壊力尋常でなく、スペインの強戦略を誇っている。
 別の場所で、多くの対戦条件で使っていけると言ってはいるが、TPないとスペックに魅力を持たせることができないのと、進化を遅延させられるとカウンターを間に合わされる場合もあるし、大ブームに対抗しづらいといった、それなりに対戦条件を選ぶ戦略である。


 ・ドイツ (FP1.0)

 一般にはハラス遊撃の文明だと認めてよいだろう。ハラス性能の高いUhlanがその代名詞で、後には9Crossbowカードを持っていることで軽歩兵軍備を容易にし、そうした射撃ハラスで遠めから農民を削っていく。
 即VするならSkirmカードでも同様にその軍備を容易にし、相手側は差し込まれてしまうとその射程がうっとうしくてたまらない。

 代わりに即詰み狙いに難があるとされている。カードPikeを持っていない事情から即詰み速攻を狙おうとするプレイヤーが少ない。また、カード2Falconetを持っていないことから、即Vしても即詰み速攻は普通には不能、もしくは性能は低い。
 本当はドイツはPike速攻優秀なのに、ほとんど使われていないことから、とりあえずはドイツは以上のような文明なのだと認識しておいて構わないのだろう。
 このように攻城できない条件が、ハラス遊撃な文明特徴をさらに強調するものとなっている。

 よって対応する側は、即詰み速攻に難があるのなら、その間に内政を稼いだり、進化をする余裕があるという訳である。これがドイツ攻略の一般事項なのかもしれない。

 進化やや遅めで、カード軍は本陣出現となるのが普通の形で、そのため初弾着弾は遅い。これでTC間の距離が長かったら、対応する側はドイツは即Vでも狙っているのではないかと疑ってしまうだろう。尚、自力前線搭にすればこの事情は変わる。
 初弾遅めの特徴が主導権確保で後手を踏み、少し待てば軍量充分になるとはいえ、相手文明を選ばないと前を取りに行けない。

 3SettlerWagonのカードスペックが優秀で、そのため後を続けるのに不満がない。ハラス遊撃は内政拡大と合わせてこそ活きるもので、農民を削りつつ、自身は内政拡大していければ、より差を付けていくことができるという訳である。この点からしても、ドイツを使うならハラス戦略が志向されることになるのだろう。

 内政カードはほとんど揃っている。ドイツがブームを志向するなら、3SettlerWagon、2SettlerWagon、経済理論、伐採テクと組んでいけば、その性能に不満がない。スクーナーを持っていないことが大きな特徴で、対応する側は海内政を恐れることはしないでいい。
 とはいえ内政に特化された文明ではないので、ラッシュスタートで押さえ込みをしつつ内政を稼いでいくスタイルが普通である。これにUhlanハラスが加わると、相対的に内政文明以上の繁栄が望めることになる。

 おまけUhlanはもらえないがカード傭兵の数が多く、また、その傭兵強化カードを持っていることで、傭兵ラッシュをたまに見ることがある。無印初期パッチではこの戦略ばかり見ることになったが、今そうするには道中の堅さにやや不満を感じる。相手文明によっては手順を組ませてもらえないだろう。

 ドイツ即Vは金鉱を大量に使うことが大きな特徴となっている。ドイツ即Vの主力軍隊SkirmUhlanを生産するのにすごく必要だし、傭兵ラッシュにするならさらにそう。即詰み速攻にならないから長い間採掘することになり、よって金鉱少なめマップでは採用しない方がよいのかもしれない。
 対応する側はこの事情を知ることで、マップの金鉱を重要なハラスポイントとし、真っ先にそこにハラス進軍してやろう。

 ドイツはカードにおまけUhlanが付いてくることから、即V即Wといった高次進化が有効戦略となっている。進化するほどおまけUhlanの数が増え、それを序盤はカードがたまりやすい時期に多く使っていければその効率に優れるという訳である。
 SettlerWagonのHPが高いという条件も見逃されてはならず、つまりハラス耐性を持つことで即V目指すのに都合がよい。そういう意味でもドイツ即Vは愛されている戦略である。

 何度も述べているように、ドイツはハラス遊撃の文明であり、そのためぶつかり合う戦争はあまり得意ではない。攻撃力が高く、そのため農民削りのハラスが優秀なUhlanは、その代わりにHPが低く、そういったスペックだと、敵軍に引き撃たれると退治してやる前に倒されてしまうことになりやすく、元来アンチ関係の量産和弓に突っ込んでいってもやや不利な戦いになってしまう事情を知れば分かることである。
 よって終盤戦は得意ではない。大軍をぶつけ合う最終決戦では、上述したようにドイツにとって望まれた形勢ではないし、金を多く使うドイツは終盤戦となるとPlantationの移行がそれだけ多く、つまりは終盤の内政効率にあまり期待できない。即WFactoryでその問題を解決できるが、即Wの安定が大きな課題となってしまい、確実に踏める手順ではない。

 Doppelを主力で使えばハラス遊撃な文明特徴を変えることになる。Doppelは近接取れると滅法強く、しかし足が速くないので当てに行きづらい。しかし待ち受け体制で望めばそれだけ当てやすくなり、独特なカウンター戦略を可能にしている。対戦相場上ではあまり見ることはないが強いと思っている。


 ・イギリス (2010/RE1.02)

=== 5Settlerか700木による内政拡大手段の活用の仕方のちがいについて
 700木で家内政すれば5Settler分生まれるし、また、それで採集効率に乏しい伐採をせずに人口スロットを得られることと、序盤はカードがたまりやすい序盤ブーストを可能にさせる建設経験値を得られることによって、言われているイギリスの立ち上がりの難を解消させもする。そうするとスペインやフランスが内政カードを切りつつのオーダーと内政配分の感覚が同様で、その点においてはイギリスはバランス文明に転向することが可能になる。
 そう言われると5Settlerよりも600木の方が有効ではないのかとさえ思ってしまう。確かに上述した効用を求めるのならばその通りで、私はカウンタータイミングを早める目的があるときには700木600木手順を採用する。

 では5Settlerにどのような活用意義を見出せるか。人口スロット確保を目的としない場合なら、600木では生まれるSettlerが4人分だし、木箱回収や家建設時間のロスを考えると、建設経験値をもらえてさえ5Settlerよりも内政効率に劣ると思う(厳密な検証できず)。
 カウンタータイミングでなく内政効率を求めたいときには5Settlerが有力で、また、大ブーム手順に組みたい場合にも活用される。例えば、SemiFFや即Wに組もうとしている相手に対して、仕掛け遅れるその間に大ブーム手順に組めれば作戦勝ちを果たせる訳だけど、イギリスの場合には自力伐採家内政と内政カードの複合で文明依存で大ブーム手順に組める特性を備えていてそれを有力な形で狙える。


 ・フランス (FP1.1)

 戦闘にも参加しやすいクルール農民を持つことから、2R受けに優れている。そのため、直行にせずSemiFFにしても堅さを保てるので、フランスはこの戦略が最も得意なものだと考える。
 V入りすれば、強力なユニットCuirasshierを使えるようになり、戦闘能力に不満がでない。内政も作っての即V戦略であるところのSemiFFは、無難に伸びるフランス内政との相性が合っている。

 生産速度はやや遅いのだが、通常のSettlerに比べて資源収集能力の高いクルール農民を使えるためか、体感的に内政がよく伸びてくれるように思う。
 その意味するところのものは、持久戦勝負にも長けているということである。2Rに対してはクルール農民で鉄壁。すると持久戦勝負に移行しやすいが、それはフランス側も臨むところであり、隙の少ない文明と言える。

 カード軍を2枚しか持っていないため、開幕に前線で張り合うには、継続した軍備をそれだけ欠いてしまうため、主導権争いにはあまり優れていない本陣スタートの文明である。

 尖った要素が見つからない、よく言えば堅実、悪く言えば単なる無難な文明だと言える。実は序盤内政ブーストにあまり魅力がなく、まともなその内政拡大手段が4クルール農民しかないので、内政勝負にあまり応じれないのが万能国家の名を汚している。尚、スクーナーカードも持っておらず、海内政勝負もしづらい。そのため、内政文明に対しては、前線2小屋のラッシュを仕掛けるのが基本戦略となっている。
 700木で港建設、漁船5生産、4クルール、経済理論の順などで序盤内政ブーストできなくもないが、文明依存のみによるのではそうできない。
 2R速攻仕掛けるにも、速攻文明のような特性は持っていないし、遅らせのラッシュをするにも、アジア文明のように進化中にも農民生産して内政を作り、そしてワンダーと領事館効用で第二陣のラッシュを強力なものにするなどといった、特別な軍強化手段も持ち合わせていない。

 スペック優秀なCuirasshierをフル強化できれば、結果として強化上限が他文明を圧倒しやすく、その能力の割には人口スロットが1で済むクルール農民の影響で、終盤戦の軍事能力が高い。この点を尖った部分だと言えなくもない。


 ・ポルトガル (2010/RE1.02)

 文明依存では序盤ブースト内政不能の文明条件を持ち、また、複数TCからのSettler生産に費用を割かなくてはならないことから序盤軍備に乏しくてラッシュができないという、自在の形を作れない不器用な文明特徴を持つ。

 進化ボーナスTCを得られることで、堅い防衛能力と後から伸びる内政拡大手段を持つことができる。だけど最初からそのタートルブームの形を半強制されていて、対応の形を目指すにはそのような制限が多く、普通には自戦略を押し付けることになる。

 文明条件に拘束されなくてはならないそのポルトガルの脆弱性を狙った開幕ブースト内政が有効な対応戦略となっていて、ポルトガルは開幕の相ブームに応じれず、また、相手の内政拡大をラッシュ仕掛けて制限させるということができない。
 だけどポルトガルがSettler生産止め本気ラッシュという強引な形を作れば、その文明条件から逃れて、しかも速攻文明クラスのラッシュができたりする。ポルトガルは序盤に使いやすい内政カードを持っていなかった都合上、カードを使わずためておいて進化を待ってから価値の上がったカードを使うようにしてその効率を稼ぎ、そのカード分と進化ボーナスTCの人口スロット分の恩恵で、開幕〜序盤初期までなら軍備充分のラッシュが行える。

 通常は多少のハラスを入れる程度の内政制限しかできずに、だけどそうしないとあまりにもな大ブームを許すことになるから、大抵はそのように振舞う。具体的には、直行の即V初弾ハラス速攻が一般に流行している形で、後は生産軍ハラスブーミング対応型といったものがある。
 開幕〜序盤初期までは軍備充分とできるそうしたハラス初弾速攻で押さえ込みを果たして時間稼ぎをしている間に、後から伸びる複数TCからのSettler生産ブームを充実させれば、序盤の内政勝負で後手を踏んでいたとしても対抗できるゲーム設計とされているのだと思う。

 そういう事情から、内政が充実する前の序盤軍備に乏しい期間に攻め込むことがポルトガル攻略の一般として考えられる。速攻で崩すには複数TCの牙城が堅くて後が続かなくなってしまうので、少し力を蓄えてからの軍隊量産ラッシュかSemiFFなどでその期間に攻め込むことが有効だと思う。昔にスペインではポルトガルに勝てないと言われていた理由は、速攻では後が続かなかったからで、内政型のスペインを覚えれば実はスペインでもポルトガルと戦える。
 ポルトガル側は長く放置してもらえるほど、中盤以降に内政が充実し、また、射程20JineteDragoonなどの強力なユニットも使えるようになり、実は内政文明以上に時間稼ぎが有効だと思う。
 内政文明がハラスを入れて時間稼ぎをしている間にブースト内政するように、ポルトガルもそうやって強くなる時間帯にまで持ち込みたい訳である。

 交易所や海といったマップ依存の内政拡大手段を用いることができると、その文明条件に変化が生じて、海を活用する場合には内政文明へと転向でき、複数TCと複数港からの資源採集ユニット量産ブームで序盤ブースト内政が可能となる。
 では交易ブームでも同じようにできるのではと最初は思ってしまうかもしれないが、序盤軍備に乏しいポルトガルでは、その交易所の維持が困難な事情にあるので、大抵はアップグレードはせずに囮として使い、それを叩かれている間の時間稼ぎや、市場ブームへのつなぎなどに用いる。相手が仕掛け遅れる戦略を用いたり、放置してもらえる気配を感じたら、交易市場複数TC複合大ブームとして序盤内政を稼げるときもある。

 ATPやスクーナーカードを使いやすい文明条件にあったため、マップ依存の内政拡大手段を活用しやすく、それで戦略スペックを稼ぐことができた。
 マップ別のオーダー研究とその熟練を積むことは少なくない労力を必要とするが、文明スペックが乏しいと言われているスペインポルトガルを復興させるには欠かせない手段だと思う。そしてそれを活用してきた私が思うに、スペインポルトガルは弱文明ではない。文明自体は弱かったとしても、マップ依存の要素でスペック向上させることができると予想していた期待を裏切られなかったように感じている。

 昔ながらのポルトガル戦略は直行の即Vタートルブームのことを指し、この戦略ばかりを多く見てきた。今も昔もポルトガルプレイヤーは少なく、そのようなレア文明は対応に力を入れられるといったことから免れるという恩恵に期待できるとしても、上のようなポルトガルの流行型を用いるのであれば対応慣れされていると思う。
 そこでマップ依存の内政拡大手段を活用したり、Settler生産止め本気ラッシュ、生産軍ハラスブーミング対応型、即Wなどの、それほど使われてこなかった戦略を用いて多様化を進めていき、対戦機会の少ないレア文明にそのような多彩な戦略を用いられては対応側は対応慣れすることができないということに期待でき、それらの活用理由は対応慣れから逃れるためよりも、対戦条件に応じた効率を求めるために活用する。

 勝つための手段は1つだけではなく、プレイヤータイプに合致させたり(個人的にはこれが一番重要な要素だと思う)、研究を深めれば評価を上げることができると予想したならばいち早くその手段を探し出し、またそういう新戦略で対策から逃れるメリットも享受できる。

 ポルトガルの繁栄を示すかのように、所有する海洋や建物は、広くそして無数にそびえ立っていた。


 ・トルコ (FP1.0)

 Settlerの生産費用が無料になるという文明ボーナスによって、結果的に序盤ブースト性能の高い文明となっている。しかしそのSettlerの生産速度は遅く、また、テクノロジーで生産上限費用を割かなくてはならないため、内政を伸ばすには不都合な条件を持つ、つまりは速攻文明的位置づけの文明である。

 そのため持久戦目指すにはマップ依存の内政拡大手段を用いなければ普通には不能で、また、即V目指すにしても交易所がないと性能に欠くから、マップ事情の依存度が高く、TPブームや海内政ができないのであれば、ほとんど2ラッシュするしかないという、器用さに欠く文明だと思う。

 上に述べたようにSettlerの生産速度が遅いため、Settlerを失うと内政復旧が困難で、大ハラスが決まってしまうと、それで試合が決まってしまうほどに深刻な問題である。そういう意味でも速攻を目指すべきで、内政勝負になる前に勝負を決めてしまいたい。強めラッシュで受けるのに精一杯にさせ、ハラス軍を投与できないまでにしてやるのである。

 内政的な条件が以上のようにかなり悪い代わりに、軍隊は非常に強力なユニットが揃っている。JaniはHPが高く耐久性能を持つことから、相手本陣に長く居座り続けても建物からの攻撃に耐えてくれるので、継続したラッシュを可能としており、そのMusketeerタイプな万能性が猪突猛進を可能にさせ防戦を長く強要する。
 Uの時代から使える砲兵のAbusGunは非常に強力な攻撃力を持ち、その耐久性能に乏しくとも、その攻撃力だけを活かせる形勢を得られれば、V入りせずとも強力なラッシュが可能となっている。さらには砲兵強化カードも充実している。
 V入りすればSpahiMamelukeといったスーパーユニットが使えるようになり、試合を決めてやるのに非常に重要な役割を担っている。


 ・アステカ (FP1.0)

 WarHutという搭の役割も果たす兵舎施設が使えることにより、前線に軍備を集めやすい条件は速攻を目指すのに好条件であり、豊富に有しているカード軍が継続した軍備充分のラッシュを可能とさせ主導権争いに抜きんでている。
 それだけなら他文明も同条件を有している文明が存在するが、アステカの場合には初期神官による経験値ダンスとWarChiefの戦闘経験値ボーナスによって序盤のカードブーストを成立させることができるから、序盤はカードがたまりやすいゲーム仕様により、アステカの序盤は相当強い。
 加えて黒槍の攻城性能が高く、即詰み性能が他を圧倒しており、以上の条件に加えて農民生産止めのブーストラッシュを行えば多くの相手戦略を制限できてしまう。

 その代わりにカウンター不向きの文明特徴を持っており、軍備を枯らしてしまうと射程の短いMaceでは軍量足りていないと戦線維持できない。そのため内政拡大をしたければ、押さえ込み充分の形勢を確保してからそうするべきで、つまりはアステカは戦闘国家であることを認めなくてはならない。
 しかしブースト性能の高い内政拡大手段を持つことによって持久戦に備えることに長けている。3神官5農民4農民がそうだし、これらはラッシュスタートの後でもカードがたまりやすいアステカによれば、そのカード依存の内政を完成させるのに迅速で、不満なく後を続けて戦っていけるようになる。
 また、スクーナーカードを持っていることから、後付けの海内政拡大によっても同様の効果が得られるだろう。Waterダンスやカヌーが強いことから制海権にも優れており、戦地になりやすいところに海があるのであれば、こちらの内政拡大手段を採用すべきだと思う。

 神官ダンスによっても内政拡大が可能で、神官という内政ユニットは戦闘ダンス要員としても利用できるので、つまり軍事力としても活躍できるから、軍備を枯らすことのできないアステカが堅い内政拡大手段としてそれを利用できるのは救われている。

===
 すでに述べたように、カウンターするのに最も向いていない文明で、ほとんど2Rで勝負することになるが、そのように戦略手段を欠いてしまうと、その脆弱性を狙われてしまうことになる。
 具体的には、即VされたらそこからのSkirm乱立と軍事力ブーストで不利な形勢を強いられることになる。つまり即Vによる軍事力ブーストをされてしまうと、それに対して突っ込んでいっても五分前後の戦いとなってしまい、加えて本陣受けの迎撃手段を用いられると戦えない。
 そうなると戦線の均衡を守るだけの戦争となってしまうが、この場合にMaceでは射程が足りなくてSkirmに一方的に撃ち込まれてしまうといった形勢不利を強いられることになる。

 即Vに対してはSemiFFでカウンター返しできるのだが、アステカでそれをするのは未知だし、普通にはそれを見ることはない。
 アステカでの普通に考えられる即V対策は2つあり、農民生産止めで本気ラッシュを仕掛けて即V成立をほぼ確実に阻止してやることと、初弾内政カードで力をためてからの軍隊量産ラッシュで対応できる。
 アステカは2Rだけの文明とはいっても、その中で微妙な形を変えることができる訳で、そのような手段で対応能力を得ることができている。


 ・イロコイ (FP1.0)

 進化Travoisがもらえる影響で序盤が強くなっており、また、進化が早いので初弾速攻に優れている。そしてそのTravoisで前線WarHut構築できてしまうから主導権争いに優れており、基本的に速攻文明な特徴を持つ。

 1stTravoisを温存してUの時代に馬兵兵舎を作れてしまうことで生産馬ラッシュを可能としており、普通には前線を確保した状態でそのようなことはできず、しかし原住民系文明はそうできてしまうのである。
 これが何を意味するのか。対応する側はまずは即詰みを逃れるために軽歩兵軍配備とするのが普通だが、早期にその対抗兵を用意されてしまうとあっては、安易な対応をさせてもらえなくなる。また、その機動力で広範囲にハラスしていくことができ、速攻を目指す場合にはそれは優れた手段である。

 歩兵強化手段が豊富にあり、持久戦ではそれが目指されることになるだろう。代わりに馬兵強化に乏しいので、対応する側はKanyaを多く見たら急戦型と戦略を読む手段にできるが確実ではない。

 以前のパッチでは前残しの即VForestが有効だった。現行パッチではそれがしづらくなっている。しかし実はある方法により今のパッチでもそれが行えてしまうが、対戦相場上ではそれを見ることはほとんどないだろうから忘れてしまってもよいし、AennaKanyaが強くなったので素直にそれを使うのがベターだと思う。

 TravoisダンスでFarm移行の非効率をそれだけ抑えられることは見逃せない。これは持久戦を目指す場合に重宝される。

 そしてイロコイの大きな脆弱性としての特徴、攻城性能に乏しい点が上げられる。槍兵を持っていないのでTomahawkに頼らざるを得ないが、Musketeerタイプの攻城性能は凡庸であるし、また、トルコJaniのようにその耐久性能で相手本陣に居座ってやるということもしづらいから、即詰み速攻はあまり得意ではなく、だからこそAennaKanyaが強化された今、封鎖ラッシュがイロコイの文明特徴を強調するもののように思われる。
 V入りしても近接攻城兵しか持っておらず、これでは要塞化された敵陣は落としづらい。よって対応する側は建物タートル戦略がイロコイ攻略の大きな手段となり、イロコイはそれが大きな課題として残る。


 ・インド



 ・日本 (RE1.02)

=== V入りするときの留意点について
 日本がV入り目指すとき、その障害となる事情が2つあって、日本は普通には使いづらい流鏑馬を除くベテラン化済みのユニットが存在していないことから、即Vしてもそのベテラン化の必要が生じて急戦に向いていない。また、軍編成整えるには2兵科分をベテラン化せねばならないため、そのV入り直後の隙を狙われたら、折角即Vしたのに非ベテランのまま戦うということになって、それではV入りした意義をあまり見出せなくなってしまう。

 イチゴをカードで補充するタイミングとそのV入りが重なることも問題で、その補充時はその分軍が出なくなってしまう脆い時間帯なので、それに加えてV入り後の体制を作っているときの時間帯と重なったら、そのときに攻め込まれたら混乱に導かれてしまうだろうと思う。

 よって、日本がV入り目指す通常のタイミングは、イチゴ補充を済ませた後ということになり、相手がV入りしたからといって追ってV入りしたくても、その補充タイミングと重なってしまったら、それが困難な事情となる。

 内政文明が内政伸ばしたいという理由もあって、日本は多くの場合はUの時代に留まって戦うことになる文明である。しかし実際の対戦事情では、それでも早めV入りする場合もよく見かける。
 確かにアジア文明の即Vないし早めV入りは、その進化中にも農民生産を止めずに済む内政的効用と、ワンダーを獲得できることにより、成立できればそれでそのアドバンテージは少なくない。
 非ベテランのままでも、金閣寺などで軍強化されるならそれで補えるとも言えるし、どうせ戦闘中は農民がTCに閉じ込められるからと考えて、イチゴ補充は防衛が成立して戦線が膠着してからでも構わないと言えなくもない。
 ただ、それが理想の形だとは認めたくない。体制の構えの美意識でリズムを作っていくようなタイプのプレイヤーは、そういう不恰好な選択肢は調子を崩す原因ともなるので、その早めV入りが採用されないケースも多いと思う。

 そういう事情から、日本は即Vラッシュに対してUの時代で受けねばならず、Falconetをカード大砲で対応できない軍事的劣勢を強いられる場合もある。
 また、日本の内政はイギリスほどブーストタイプではないから、開幕相ブームとしてV入り目指すSemiFFで即V軍事力形勢を得られると、SemiFF側内政微不利だが即V軍事力によってそれでも日本と戦える。中国即Vが日本に勝ちやすかったのはこの理由。
 日本側のその対策は、軍備充分の高速初弾を投与してその直行の即V成立を許さない態度をとるか、内政作って軍隊量産体制で応じることになる。
 本格的な仕掛けが遅れるSemiFFに対しては、その間に大ブーム手順を踏んでおくことで、その内政的アドバンテージで対抗するようにするか、ラッシュを仕掛けてその成立を封じる。尚、SemiFF側はそれを読んだら、Uで戦う形にシフトして進軍急ぐというようなこともする。

 以上のような事情から、そういう対戦条件になりやすいので、その対応の仕方を優先して学ぶべき。

=== 実戦感想 中国即Vvs日本開幕ブームから前線村ラッシュ対応のための軍事移行その後ブーミング早めV入り 参考実戦リプレイ

 日本側はポルトガル領事館大ブーム手順に組むつもりが、前線村を発見してラッシュを予想したので、それで軍事移行を決めた。
 しかし中国側の軍量が少ない。それでラッシュはないと判断したのか4農民でブーミングに再移行。そしてV入りまでも成立させた。

 中国即Vは仕掛け遅めとなるので、その間に内政作っておければ作戦勝ちを狙える。日本側それを果たし、さらにはV入りすることで軍事力強化をも成立させ、内政軍事ともども優位に立てたかのように思われた。
 しかし、大規模な戦争ないし決戦が始まる直前やその最中に、体制作り、言い換えて、駒組み手順となるベテラン化やイチゴ補充の必要が生じてしまったためか、日本側の軍備配給が間に合わない。代わって中国側はそのような必要はなく、その分の軍量差を稼げることとなった。

 日本の早めV入りは以上のようなデメリットがある。それを許容しても構わない対戦条件ならばよかった。しかし、中国即Vは仕掛けは遅れるが、そこから軍隊量産の即V軍事力ラッシュが強い形で行われるため、最善の受ける体制を確立しておかなくてはならなかった。

 代わりにベテラン化やV費用を内政に投資して、持久戦勝負に持ち込む狙いの方が対応できるような気がする。HandMotarで戦争を強要される条件が、そうするにも困難な道が予想されるにしても。尚、日本側の大ブームを読んだら、中国側はUの時代で戦う形にシフトして進軍を急ぐつもりでいる。




















   
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